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新幹線用ばね式張力調整装置の特性の検証
○池田国夫(東日本旅客鉄道)
電車線の張力変化は架線静高さやトロリ線波動伝播速度を変化させるなど、集電システムの接触性能に及ぼす影響が大きい。そこで、電車線の張力を調整するばね式自動張力調整装置の特性の検証を試みた。先ず理論解析を行い、その後、実設備において検証試験を行った。その結果、理論解析の妥当性が確認され、吊架線、補助吊架線およびトロリ線を一括引とした場合、張力が変化しても架線静高さの変化は小さい一方、トロリ線波動伝播速度への影響は大きいことから、張力調整装置の稼動領域を適切に確保して、接触性能の低下を抑制する必要があることなどが確認できた。