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超電導電力機器における液体窒素の動的絶縁破壊特性
◎松岡達矢・西町誠一郎・小島寛樹(名古屋大学)・礒嶋茂樹(住友電工)・野口浩二(日新電機)・早川直樹(名古屋大学)
超電導電力機器の開発のために絶縁設計の高信頼度化が求められる.そこで,筆者らはクエンチ環境を想定した電界/熱複合ストレス下の動的電気絶縁特性について検討した.サンプルをLN2(77 K, 0.1 MPa)中に浸漬し,サンプルに電圧を印加した状態において,ニクロムヒーターから突発的に気泡を発生させることでクエンチ環境下の高電界ギャップ空間を模擬し試験を行った.その結果,ヒーターのジュール熱量を増加させることで絶縁破壊電圧が静的な場合と比較して1/3にまで低下していることがわかった.これらの結果から超電導電力機器の絶縁設計において静的絶縁破壊特性だけでなく動的絶縁破壊特性の把握が重要であるといえる.