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高温超伝導テープ線材の積層導体における臨界電流測定
◎小原久人・西村亮太・孫 建・渡邉裕文・浜辺 誠・河原敏男・山口作太郎(中部大学)
これまで中部大学では新しい積層導体を用いた大電流直流超伝導送電用ケーブルの導体構造を検討してきた。直流ケーブルは+-の二極が必要であるため、積層させた超伝導線材に層毎に電流方向を反転させることが必要となる。このとき隣接する線材の作る磁場により自己磁場が弱まり臨界電流の向上が見込まれる。例えばBSCCO線材を3本積層させて各層毎に電流方向を反転させて中央の線材の臨界電流を測定した場合、自己磁場中の一本の線材の臨界電流に対して中央の線材の臨界電流は自己磁場中一本単独での臨界電流に対して51%増加することが分かった。また、4本積層させ内側の線材2本の臨界電流を測定した場合、31%増加することが分かった。