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加速劣化試験による変圧器巻線絶縁紙の紙中水分量変化
○村上純一・中塚 俊・八重樫裕司(東北電力)・齋藤隆之(北芝電機)
変圧器巻線の絶縁紙中水分は,絶縁紙の劣化を促進することが知られており,絶縁紙の水分吸湿状態を把握することは,劣化診断を行う上で重要である。絶縁紙の紙中水分は変圧器が稼働中に直接測定することは困難であるため,紙-油間の水分平衡関係を基に実測した油中水分から推定することが行われる。しかし,絶縁紙が劣化すると水分吸収力が低下して紙-油間の水分平衡関係が変化し,新紙・新油の平衡特性を適用すると誤った推定結果を導くことが指摘されている。そこで,絶縁紙の劣化による紙中水分の変化様相を確認するため,加速劣化試験を行い,熱ストレスを基準とした絶縁紙の吸湿量低下の関係を調査したので,その概要を報告するものである。