油入変圧器における流動帯電現象は、絶縁油がプレスボード等の表面を流動することにより生じる帯電現象である。近年、経年変圧器で高帯電度化が進行して静電気放電に至る事例が報告されている。流動帯電の抑制策の一つとして、絶縁油へのBTA(1,2,3-ベンゾトリアゾール)添加が行われているが、BTAの効果は永続的でないことが分っている。著者らは、BTAの効果持続性を解明するため、BTA添加試料油を用いてPB共存下で加速加熱劣化試験を行い，油中におけるBTAの挙動について検討してきた。今回、経年油へBTAの繰り返し添加を行い、油中のBTA残存濃度及び帯電度の変化を調査したので報告する。