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レーザーラマン分光法によるフルフラール分析
○笠岡 誠(かんでんエンジニアリング)・染川智弘・藤田雅之・井澤靖和(レーザー技術総合研究所)・永野芳智(かんでんエンジニアリング)
高度成長期に導入された変圧器の高経年化に伴い、機器寿命による変圧器障害リスクが高まっているため、変圧器の余寿命を知ることは、電力システムの信頼性を確保するのに不可欠である。
変圧器の寿命は、変圧器に使用されている絶縁紙の劣化によって決まるため、変圧器の寿命を知る手段として絶縁紙の分解生成物であるフルフラールの測定が行われている。しかし、この手法は液体クロマトグラフィーによる分析を行うため、絶縁油からフルフラールを抽出する前処理工程が必要である。
我々は、レーザーラマン分光法を使用し、前処理工程無しに油中フルフラール濃度を測定する技術を開発し、14.4ppmの検出下限で油中のフルフラール測定を可能とした。