中部電力基幹系統の主要電気所および主要火力発電所には、定時刻および系統動揺発生時における有効電力（P）、無効電力（Q）、電圧（V）、周波数（F）の変動の記録を目的として系統動揺現象観測装置（以下PQVF観測装置）が設置されている。記録された各観測量の変動は、系統故障の事後解析等に役立てられている。 PQVF観測装置は、高サンプリング周期かつGPSにより他地点と時刻同期が取れた観測が可能である。本稿では、PQVF観測装置で定時刻に記録された送電線有効電力データについてウェーブレット変換を用いた解析を行った。解析の結果、500kV送電線や火力発電所と接続される火力送電線等、観測地点により、有効電力の変動特性に違いがあることを明らかにしたので、報告を行う。