近年，再生可能エネルギー（RE）電源が注目されている。しかし，RE電源には地域偏在性があり，特に風力発電についてはその傾向が顕著である。また，RE電源は従来電源とは異なり，設置・運用者の大部分が一般電気事業者以外の発電事業者であるため，「いつ」「どこに」「どれくらいの容量の」RE電源が導入されるのかを正確に見積もることは難しい。著者らは，このようなRE電源導入の不確実性を考慮した経済合理的な送電設備計画手法について検討している。本稿では，特定の風力発電導入適地と主系統との間のアクセス線に焦点を当て，確率的動的計画法を用いたアクセス線設備計画手法を提案し，数値試算を行い、増設機会回数の増加が設備計画に与える影響を評価した。