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再生可能エネルギー導入に伴う発電機慣性の減少を考慮した周波数変動の基礎検討
◎酒井理史(東北大学)・七原俊也(電力中央研究所)
本論文では,再生可能エネルギー電源の導入量が拡大された際に発電機慣性が減少することを考慮し,電力系統における平常時の系統周波数変動について基礎検討をおこなう。そのために発電プラントと電力系統のモデルを作成し,3種の電源構成における需要変動に対する周波数変動をシミュレーションにより算出した。この結果からパワースペクトルを算出したところ,再生可能エネルギー導入量の拡大に伴う慣性の減少が周波数変動の10秒オーダー以下の短周期の変動成分に悪影響を及ぼすことが確認できた。これは周波数変化率に関しても同様の傾向が見られた。また,標準偏差を算出することにより,その影響度合いの定量的な評価もおこなった。