近年の環境・エネルギーにより太陽光発電(PV：Photovoltaics)が注目され，将来多くの一般家庭への導入が予想される。しかし，PVシステムを配電系統内に大量導入した場合，系統内の電圧が電力の逆潮流によって電気事業法で定められた値を超える可能性が危惧されている。この問題の解決策として， PVシステムのパワーコンディショナーによる有効・無効電力制御が検討されているが，この制御を用いて現在の制度で売電を行った場合，地域による収入格差が発生する。 本論文では配電系統内に大量の分散型電源が連系された場合を対象とした無効電力プライシング手法を提案する。提案法は，無効電力出力による電圧維持機能が高い地域に高いインセンティブを持たせ，地域間の収入格差を緩和した。