電気学会全国大会講演要旨
6-300
細隙アークのアーク電圧と駆動速度依存性
◎相良雄大・渡邉真也・小倉健太郎(三菱電機)
近年、開閉器市場では小形化のニーズに加え、太陽光発電の普及などに伴う直流給電化により、直流高電圧用開閉器の需要が高まっている。従来、直流電流の遮断は、電磁力によるアークの伸長作用や消弧グリッドによるアークの分断・冷却作用により、アーク電圧を高めて強制的に電流ゼロ点を発生させ遮断する方式が用いられている。しかしながら、占有体積の大きい消弧グリッドの搭載は開閉器の小形化には適さず、高電圧回路の電流遮断には、短いアーク長で高いアーク電圧を発生させる必要があった。 上記以外でアーク電圧を高める方法として、アークを高速駆動させて冷却する方法が知られているが、従来の検討ではアーク駆動とアーク電圧の関係について十分な知見はなく、設計に活用するには不十分であった。 そこで筆者らは、実器を模擬した細隙空間でアークの駆動速度とアーク電圧の関係について定量的評価を行い、アーク電圧の高電圧化に向けた検討を行ったので報告する。