配電線に施設される多くの避雷器は，直列ギャップと避雷素子を内蔵しているが，避雷器の故障には，直列ギャップが機能を失わずに避雷素子だけが損傷する場合がある。このような避雷素子が損傷した避雷器を継続して使用した際の影響を調査するため，人工的に故障させた避雷器を用いて，AC・インパルス重畳試験を実施した。避雷素子2個を内蔵する避雷器において，部分故障品（素子2個のうち1個が損傷）と全故障品（素子2個のうち2個が損傷）を2相に施設した場合には短絡を発生する範囲は電圧の正負の最大値付近のみとなり，部分故障品を2相に施設した場合には短絡を発生しなかった。