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エポキシ複合体の耐電圧寿命に及ぼす炭酸カルシウムの効果
○太田 司・飯田和生・萩原孝紀(三重大学)
一般的に、高電圧機器などに使用されている高分子絶縁材料は、電気トリーの進展を経て全路の絶縁破壊に至る。難燃剤として添加されている金属水酸化物は、高温で分解するとき、水を放出し周りのエネルギーを奪う現象がある。エポキシ樹脂を母材とする複合体で、耐電圧寿命試験(V-t)等を実施し、金属水酸化物はトリー抑制剤としての機能を持つことを確認しすでに報告した。
今回は、水酸基を持たない構造で吸熱性を示す充填剤として炭酸塩を取り上げ、トリー抑制効果について検討した。その結果、炭酸カルシウムの30phr試料は、エポキシ単独試料より100倍程度耐電圧寿命が延びること等が分かった。脱水しない吸熱粒子である炭酸塩も、トリー抑制剤としての機能を有することを検証した。