2-016
ナノ粒子添加絶縁油の交流絶縁破壊特性におけるギャップ長依存性
◎近藤貴文・佐藤広治・小島寛樹(名古屋大学)・花井正広(東芝)・早川直樹(名古屋大学)
本研究は、絶縁油中に添加したナノ粒子が絶縁破壊電圧に与える影響を検討するため、4種類の体積濃度のTiO2-anataseナノ粒子添加アルキルベンゼンにおける交流絶縁破壊電圧のギャップ長依存性を取得した。その結果、ギャップ長が短いほど低濃度にて絶縁破壊電圧の低下が大きいことが確認された。また、ギャップ間の電界分布より、電極間の電界強度の傾きはギャップ長が短いほど大きいため、LAB中のナノ粒子が誘電泳動によりギャップ中心軸方向に移動する。その結果、電極間中心付近の高電界領域のナノ粒子濃度が上昇し、ナノ粒子が凝集したため、BDVが低下したと推察される。