電気学会全国大会講演要旨
2-033
エポキシ/窒化ホウ素コンポジット材料へのシリコーンオイル添加が絶縁寿命に与える影響
◎黒川素美(デンソー)・脇本 亨(日本自動車部品総合研究所)・加藤広衣・村上義信・川島朋裕・長尾雅行(豊橋技術科学大学)
車載用パワーエレクトロニクス製品の絶縁材料として樹脂/フィラーコンポジット材料が注目されているが、高湿下のDC絶縁寿命が問題になることがある。本研究では、エポキシ(EP)/窒化ホウ素(BN)コンポジット材料に親水基をもつシリコーンオイル(S)を添加し、DC電圧下の絶縁寿命を評価した結果、EP/BN材料と比べて寿命が大きく向上することを確認した。吸水時の空間電荷特性から、EP/BN/S材料は電荷の移動が抑制されていることが分かり、Sの親水基がEPとBNの界面に侵入した水と相互作用して水を取り囲むことにより、電極より注入された電荷の移動、または水とBNの反応によるイオンの発生を妨げたと考えられる。