電気学会全国大会講演要旨
2-060
ポリフェニレンサルファイドの交流部分放電特性
◎山田倫弘・川島朋裕・村上義信・長尾雅行(豊橋技術科学大学)・尾崎 想・春成 武(東ソー)
ポリフェニレンサルファイド(PPS)の交流部分放電の基礎的特性を把握するために、放電電荷量と印加電圧の関係を、ポリプロピレン(PP)と比較することで調査を行った。PPSの部分放電開始電圧(PDIV)は、0.2 kVrmsであり、PPのPDIVは1.0 kVrmsとなった。PPSはPPより比誘電率が高いため、空気ギャップの分担電圧が大きいことが、PDIVが低くなった原因の一つと考えられる。一方PPでは、PPSのように小さい部分放電は発生せずPDIVで急に連続した部分放電が発生した。PPSの場合、小さな部分放電によって試料表面が帯電し、球電極と試料表面間の電位差が小さくなるため、PPよりも連続した部分放電が発生する電圧が高くなった可能性が考えられる。