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酸素欠損型酸化チタンにおける密度汎関数法による第一原理電子物性計算
◎中野拓真・小越澄雄・片山 昇(東京理科大学)
酸化チタンは紫外線を照射すると有害物質を除去することができる光触媒である。酸素欠損型酸化チタンは可視光応答型酸化チタンの一つとして知られている。これまでの研究で、酸素欠損度が低い領域(<1 [%])において可視光下でのホルムアルデヒド分解率が最適値を持つことが解明された。しかし、最適値を持つ原因については不明であり、欠損度が非常に低いため解析は困難であった。
今回の研究では、汎密度関数理論に基づく第一原理計算(DFT計算)により酸素欠損型酸化チタンの電子物性を計算した。その結果、欠損度が0.78から1.38 [%]に上昇する領域において、赤外における誘電率の虚数が急激に増加することが判明した。