電気学会全国大会講演要旨
2-142
クエン酸浴を用いて作製した軟磁性Fe系電析膜の飽和磁化向上に関する研究
◎大坪将貴・渡邊佳正・柳井武志・中野正基・福永博俊(長崎大学)
本研究室では,現在までにクエン酸浴を用いて作製したFe-Ni電析膜において、Fe22Ni78付近の組成を有する20 m厚程度のFe-Ni電析膜にて1 Oeを下回る低保磁力な軟磁性膜を実現している。デバイスの小型化のためには,高飽和磁化を有する軟磁性材料の適用が有効であり,Fe-Ni合金においてはFe組成の増加が考えられる。従来の我々の検討結果では,Fe組成の増加により磁化は向上するものの,膜質の低下や保磁力の増加などが観測されるため,本稿では,Co添加により良好な膜質や軟磁気特性を維持したまま,Fe22Ni78付近での磁化よりも約1.45倍の磁化の向上を確認した。