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アーク放電により発生した絶縁油分解ガスのZnOガスセンサによる検出
◎李 栗・川邊祐貴・林 大貴・中野道彦・末廣純也(九州大学)
油入変圧器内部に充填された絶縁油中で放電や過熱が起きると、絶縁油が分解され、炭化水素系ガスが発生する。これらが絶縁油中に溶けることで絶縁性能が低下し、変圧器の故障をもたらす。油分解ガスのうち、特にアセチレンは変圧器内部に放電事故が発生した時の指標ガスとなる。筆者らはこれまでに、独自に開発したセンサ作製法である誘電泳動集積法を用いて、白金修飾ZnO(酸化亜鉛)ナノワイヤセンサを作製し、アセチレンガスの検出に成功している。本研究では、絶縁油分解ガス検出への応用の可否の調査を目的として、実際に絶縁油中でアーク放電を発生させ、油中に溶存した分解ガスをバブリング法により抽出し、センサを設置した小型チャンバに注入して検出を試みた。