電気学会全国大会講演要旨
5-098
液体窒素の動的絶縁破壊特性における圧力依存性
◎松岡達矢・石田一樹・小島寛樹(名古屋大学)・礒嶋茂樹(住友電工)・桑田 稔(日新電機)・早川直樹(名古屋大学)
超電導限流器の実用化に向けて絶縁設計の高信頼度化が求められる.そこで,筆者らはクエンチ環境を想定した電界/熱複合ストレス下の動的電気絶縁特性について検討した.試験電極をLN2(77 K, 0.1 - 0.2 MPa)中に浸漬し,高電圧電極に電圧を印加した状態において,接地電極から突発的に気泡を発生させることでLN2の動的絶縁破壊特性における圧力依存性を取得した.また,高速度ビデオカメラを用いて絶縁破壊時の気泡挙動を取得した.その結果,圧力0.1 MPa時には動的絶縁破壊電圧は静的絶縁破壊電圧の約30 %に低下することがわかった.また,圧力の上昇に伴い発生する気泡量は減少し,動的絶縁破壊電圧と静的絶縁破壊電圧の差が小さくなることがわかった.