電気学会全国大会講演要旨
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MgB2線の常伝導伝播速度
◎安藤憲之介・太田成美・葛 雅志・高尾智明(上智大学)・新冨孝和・槙田康博(高エネルギー加速器研究機構)・濱島高太郎・津田 理(東北大学)・岩城勝也(岩谷産業)
我々のチームは、燃料電池、電気分解装置から構成される先進超伝導電力変換システム(ASPCS:Advanced Superconducting Power Conditioning System)を提案し、燃料電池車用の水素ステーションと組み合わせることで再生可能エネルギーを有効利用する。SMESの線材としてはMgB2線材の使用を検討している。MgB2コイルの諸特性を調査するため、クエンチ保護の観点から重要なパラメータとなる常伝導伝播速度を、通電電流と入熱量をパラメータとして実測した。 測定した臨界電流値は104 Aであり、通電電流が70, 80, 90 Aのときに伝播速度はそれぞれ、〜10 cm/s, 〜20 cm/s, 〜40 cm/s となった。今後の測定ではヒーター加熱量の影響などを整理し、伝播速度の正しい評価を行いコイル保護に活用できる基礎データを測る予定である。