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ATS-P用接続箱の絶縁性向上への取組み
○塚本大吾・田中弘毅・大串裕郁(西日本旅客鉄道)・李 坪燃・達脇 誠(てつでん)
変電所から電車に直流1.5kVの電源を供給する「き電線」が橋梁上で地絡した際、橋梁上のATS-P用ケーブル接続箱筐体と内部の信号用保安器の間で絶縁破壊が発生し、地絡電流の一部が流入したため機器が損傷する事象が発生した。
これまでの研究で、接続箱内部の汚損状況により比較的低い電圧で絶縁破壊が発生しうることが明らかになったので、接続箱内部の汚損があっても十分な絶縁耐力を有し、稼働中の信号設備に支障を来たさない対策を検討し、試作を行った。本対策は、信号ケーブル取外しを必要とせず短時間に施工可能で、汚損を模擬した状態において JIS E3021耐電圧試験区分V5000に耐える絶縁性能を有している。