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列車救済用電力貯蔵装置の開発
○高橋弘隆・久米靖則・本多和治・河津浩典(日立製作所)・上西純一・清水芳樹(東京地下鉄)
現在リチウムイオン電池を活用した地上電力貯蔵装置(以下SESS)は、回生失効対策や電圧降下補償用と省エネルギーを導入目的とし国内および海外鉄道事業者で運用を開始している。しかし、本来電池の特性から考えると貯蔵電力量も確保できることから、大規模災害などによって予期せぬ広域停電が発生した場合に駅間の橋梁上やトンネル内などに停車した列車を最寄り駅までの列車救済用としての電源としても十分に活用可能である。この非常用電力供給設備へのSESSの適用については机上ではこれまでも検討してきたが、2013年3月より東京地下鉄株式会社と協力し列車救済用SESS(以下EM-B-Traction)の研究開発に着手し、2014年1月から2月にかけ受電停電時の列車救済試験を実施し、10両編成の列車を2.7km走行させ、目標とした成果を得た。今回その内容について報告するもの。