電気学会全国大会講演要旨
6-041
真空アーク陰極点の熱流束と移動速度が及ぼす酸化膜とバルクの蒸発速度
◎山本真司・小倉佳太・岩尾 徹・湯本雅恵(東京都市大学)
近年,真空アーク陰極点により,表面の酸化膜を蒸発除去し,表面粗さを形成する溶射前処理が注目されている。しかし,同じ処理条件であっても陰極点の熱流束や移動速度が変化し,酸化膜とバルクの蒸発速度,表面粗さが変化するという問題がある。本論文では,陰極点の移動速度と熱流束をパラメータとして酸化膜除去における熱伝導過程の解析を行った。結果として,熱流束と入熱面積の積が増加すると酸化膜とバルクの蒸発速度が増加し,その傾きは酸化膜の方が大きい。これは,酸化膜の方が沸点に達する時間が短く,入熱する面積が大きい方が蒸発速度が増加するためである。