電気学会全国大会講演要旨
6-043
酸素混入パルスアークにおける混入率が及ぼす熱流束
◎後藤康徳・鈴木大智・田中達朗・岩尾 徹・湯本雅恵(東京都市大学)
TIG(Tungsten Inert Gas)溶接法は高品質な溶接であるが,溶け込みが浅くなる問題点がある。この改善のため,熱流束が増加するパルスアーク溶接が用いられる。また,定常アークにおいて,解離性ガスは熱的ピンチ効果が期待でき,パルスアーク溶接と同様,熱流束の増加が予想される。本論文では,シールドガスに解離性ガスである酸素を混入させた場合の熱流束を解析した。結果として,パルスアークは電流立ち上がり時に定常アークよりも,中心での熱流束が増加した。また,酸素混入率が高いほど熱流束が増加した。これは,酸素の解離による比熱と熱伝導率の上昇により,アーク温度分布が収縮するために生じる。