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AE法による固体絶縁物内部の部分放電発生位置推定精度の向上
◎藤井祐樹・佐藤純一・塩入 哲(東芝)
電力機器の絶縁劣化診断を目的として、絶縁破壊の予兆現象である部分放電の発生位置を高精度、高感度に検出する方法が広く検討されている。これまで筆者らは、固体絶縁物内部での部分放電から放出されるAE(Acoustic Emission)波に着目し、その基礎特性を評価してきた。本報告では、固体絶縁物内部に人工的に埋め込んだボイドから部分放電を発生させ、このときに放出されるAE波の伝搬時間から、ボイドまでの実際の距離に対する推定誤差を評価した。その結果、AE波の伝搬経路を考慮するとき推定誤差は平均1.61mmまで低減することを確認した。以上より、本手法の有用性を確認できたとともに、精度向上にはAE波の伝搬経路の考慮が不可欠であることを示した。