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補償法を用いた三相潮流計算の開発と国内外配電系統への適用
◎恒冨邦彦・渡辺雅浩・古川健太・高橋玲児(日立製作所)
近年,地球温暖化ガスの削減のため,再生可能エネルギーや,電気自動車,ヒートポンプなどの電気機器が,国内外で増加している。これらの多くは単相負荷として配電系統に連系されるため,相電流の偏差が大きくなり電流,および電圧の不平衡率が増大する。電圧の不平衡率が高いと,保護リレーの誤動作や配電線ロスの増大などの問題が発生する。また,海外では中性線過熱などの問題がある。そのため,国内外の電力会社では,設備計画時や連系審査時に不平衡率の計算が今後必要になると思われる。そこで国内外の配電系統を対象とする三相潮流計算プログラムの開発課題をまとめ,これを解決する潮流計算アルゴリズムを論文調査によって抽出した。本報告では,抽出した補償法アルゴリズムと実装評価結果について説明する。IEEE例題系統を用いた評価において、補償法はNR法の約1/2の解析時間で同等精度の演算結果を得られることを確認した。