近年、地球温暖化対策から、太陽光発電（以下、PV）などの分散型電源が大量導入されることが想定されている。しかし、PVの逆潮流や急峻な出力変動の発生に伴い、系統の電圧が法律で定められる適正範囲から逸脱する可能性がある。そこで、配電系統にサイリスタ式高圧三相自動電圧調整器（以下、TVR）といった電圧調整機器の導入が検討されている。 TVRは基準電圧および不感帯によって決まる範囲で電圧を維持できるようにタップ調整するため、これらの整定値の決定が重要な課題である。しかし、TVRの整定値を1日中一定にすると、電圧逸脱を完全に解消できないことが確認されている。 本稿では、TVRの基準電圧および不感帯の時間帯別最適値の決定を行った。