電気学会全国大会講演要旨
7-009
キャパシタをバッファに用いる太陽光発電システムの出力増加と電力変換器の高効率化の試算
◎中山知紀・伊東純也・戸田雅久・石田政義(筑波大学)・長谷川裕晃・平岡一高・柿崎信郎(日揮)
太陽光発電(PV)に接続されるパワーコンディショナサブシステム(PCS)は電力変換器の一種であり,定格入力電力より小さな入力電力のとき,電力変換効率は大きく低下する。そこで,PVアレイに変換器を介さず直接リチウムイオンキャパシタ(LiC)を接続することでPVの低出力時の電力を回収し,PVシステムの総発電電力量を増加させ,低効率となる電力変換器の部分負荷状態を避けることで電力変換器の定格値付近での高効率運用を可能とするバッテリ-キャパシタハイブリッド蓄電システム(BACHES: BAttery/Capacitor Hybrid Energy Storage)を開発してきた。これまでに,実験的にPV発電電力量増加,PCSの変換効率向上といった結果を示してきており,本稿では,BACHESの年間を通じた低出力発電時の電力回収と電力変換器の変換効率改善効果を試算するための時系列シミュレータを作成し,年間のPV総発電量とPCS出力電力量,変換器効率を試算したので報告する。