電力系統の運用上重要な施設である電力用通信設備が雷によって障害に至ることがある(1)。通信設備に効果的な雷害対策を実施するには，雷サージ現象を予測する必要があり，当所では，三次元構造物や接地構造物のサージ現象の解析に有効な，FDTD（finite difference time domain）法に基づくサージ解析プログラム VSTL REV（Virtual Surge Test Lab. Restructured and Extended Version）を開発してきた(2)。本論文では，VSTL REV を用いて無線中継所の雷サージ解析を実施し，実測結果との対比により，VSTL REV の適用可能性を明らかにした結果について述べる。