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わが国の太陽電池の価格低減に対する研究開発と導入助成の費用対効果分析
○遠藤栄一(産業技術総合研究所)
本論文は,日本における太陽電池の価格低減に対する技術開発と量産効果の寄与度,および研究開発と導入助成の費用対効果を分析している。分析方法として,技術進歩(=研究開発)の寄与度は,量産効果を除いた価格低減を技術知識ストックでモデル化し,推定している。量産効果の寄与度は,生産規模や累積生産量から直接推定し,さらに研究開発の二次的効果や,補助金等の導入助成に配分している。得られた寄与度と予算額とに基づいて費用対効果を推定している。分析の結果,技術進歩の寄与度は1/2程度であり,補助金の費用対効果は,当初,研究開発と同程度で有意義だったが,再開後はきわめて低く,妥当性を欠いていると指摘している。