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リチウムイオン電池盤の短絡発生時の影響評価
◎久保田雅之・木内麻紗子・門田行生・戸原正博・小林篤史(東芝)
原子力発電所向けのリチウムイオン電池盤の短絡発生時の影響を試験により評価した。保護素子を通らずに短絡した場合には長時間電流が流れる可能性がある。このようなケースを想定し、短絡経路を構成する35mm2と5.5mm2の電線の単体試験を行った。結果として、電線が溶断せずに電流が流れる最大値が約1000Aであることを確認したため、この値で電池盤の短絡試験を行った。5.5mm2の電線では溶融はみられず、35mm2の電線では被覆が溶融したが火災は発生しなかった。また、電池モジュールの内部に発火や電池の防爆弁の開放等の痕跡は見られず、短絡の影響が盤内に留まることを確認した。以上より、原子力発電所の火災防護規定(JEAC4626-2010)の仕様を満たす結果が得られた。