電気学会全国大会講演要旨
7-058
リチウムイオン二次電池の内部インピーダンスの温度依存性に及ぼす劣化の影響の検討
◎前田 諒・乾 義尚・坂本眞一(滋賀県立大学)・田中正志(茨城大学)
劣化したリチウムイオン二次電池を使いこなすためには,電池の劣化度診断手法の開発とその結果を用いた劣化電池の詳細なシミュレーション技術の確立が必要不可欠である.本研究では,まず,リチウムイオン二次電池の劣化にともなう交流インピーダンスの変化を詳細に測定し,内部インピーダンスを要因別に分離した.さらに,それらのうちの電荷移動抵抗について,温度依存性に及ぼす劣化の影響についての検討を行った.その結果,電池の電荷移動抵抗は,髙周波側および低周波側とも,アレニウスの式を用いることによって定量化が可能で,しかも活性化エネルギーが電池の劣化度と充電状態によらずほぼ一定であることが明らかになった.