電気学会全国大会講演要旨
7-090
三巻線変圧器を用いた高調波除去を可能とする再生可能エネルギー用電力補償装置の開発
○山下健一郎・亀田佳希(サレジオ工業高等専門学校)・竜田藤男・鈴木克已・西方正司(東京電機大学)
再生可能エネルギーの大量導入は系統の周波数や電圧の変動を引き起こすとともに,インバータ等の増設による高調波問題をも引き起こす可能性がある。本研究ではこれらを抑制することのできる高調波除去機能付の電力補償装置の開発を行い,理論と実験的検討により同装置の有用性を示した。本提案装置の基本原理は次の通りである。三巻線変圧器の漏れインダクタンスを特殊な設計により負の値とし,これを用いて同期機の初期過渡インダクタンスを打ち消すことにより,正弦波となる同期機の内部誘導起電力を直接,変圧器に印加することができる。その結果,インバータ等から流出する高調波は同期機にのみ流入し,系統側には高品質な電力を供給できる。