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冬季雷の電荷量推定に関する一検討
◎関 良助・道下幸志(静岡大学)・中村 剛・真壁勝久(中国電力)
島根県益田市でロゴウスキーコイルを用いて冬季雷の雷電流観測を行った。解析対象は正極性雷で波高値68kA、電荷量97Cであった。直接測定によって得られた電流波形から算出された電荷量変化と、山口県岩国市に設置されている電界センサによって観測された電界波形から推定した電荷量変化を比較した。点電荷モデルを用いて、電界波形から電荷量変化を推定した結果、雷雲の電荷中心の高さとして-5度層の高度を用いたとき、電流波形から算出した電荷量変化とパルス開始後15msまで誤差30%以下で一致した。-5度層の比較的低い高度で電荷量が一致したのは、雷撃時には雷雲は衰退期であり、雲内下部に多数の正電荷が存在していたためであると考えられる。