イベント企画
いよいよ導入--能動的サイバー防御!
2025/9/3(水) 15:30-17:30
第2イベント会場
【企画概要】 2025年の通常国会で「能動的サイバー防御」がいよいよ法制度化される。2022年12月に閣議決定された国家安全保障戦略(防衛三文書)が基になったものであるが、その為の法制定は当初予定より遅れた。その理由は、攻撃元のサーバーにアクセスして無害化するというやり方のサイバー防御は、従来の日本法では想定しておらず、これを可能にするためには数々の法改正や解釈論の再検討、運用組織の見直しなどが必要となったからである。  本企画では、法と技術の関係を研究するEIP研究会の構成員を中心に我が国のサイバー防衛に関わる人達をパネラーとし、不正アクセス禁止法と始めとするサイバー刑法、通信の秘密、安全保障、そして実際の運用など多方面から議論する。
15:30-17:30 司会 兼 パネリスト いよいよ導入--能動的サイバー防御!
須川 賢洋(新潟大学 法学部 助教)
【討論概要】 令和7年(2025年)の通常国会で「能動的サイバー防御」のための法律がついに制定された。『サイバー対処能力強化法及び同整備法』(令和7年5月16日成立、同年5月23日公布)である。この法律は、文字通り「本法」と「整備法」の二つからなり、特に整備法は20以上の関連法の改正を定めたものであり、そこからも、制度論だけでも非常に多方面に影響を与えることが分かる。さら重要なことは、現場での実務はさらに複雑なものになると言われており、法律制定の次は、運用のための様々な手順を整備しなければならない。そこで本パネルディスカッションでは、法律の内容だけでなく、実際の運用時にどのような問題や留意点が出てくるかも含めて多方面から議論する予定である。
【略歴】新潟大学大学院法学研究科修了.修士(法学).専門は情報法.コンピュータ犯罪,デジタル知的財産,情報セキュリティ制度,デジタル・フォレンジックなど,先端技術と法律の関係を中心に研究している.共著に「ITセキュリティカフェ--見習いコンサルの事件簿」(丸善),「実践的eディスカバリー米国民事訴訟に備える」(NTT出版),「基礎から学ぶデジタル・フォレンジック」(日科技連),「~法律構成の違いがわかる!~依頼者の属性別 弁護士が知りたいキャッシュレス決済のしくみ」(第一法規)など.情報処理学会「電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)」前幹事.
15:30-17:30 パネリスト いよいよ導入--能動的サイバー防御!
小向 太郎(中央大学 国際情報学部 教授)
【略歴】早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。情報通信総合研究所取締役法制度研究部長、早稲田大学客員准教授、日本大学教授等を経て、2020年より中央大学教授。1990年代初めから、情報化の進展によってもたらされる法制度上の問題をテーマとして幅広く研究を行う。著書として『情報法入門(第7版)デジタル・ネットワークの法律』(NTT出版、2025年)、『データセキュリティ法の迷走-情報漏洩はなぜ亡くならないのか』(監訳、勁草書房、2023年)、『クラウドシステム移行・導入』(共著、オーム社、2022年)など。情報処理学会電子化知的財産・社会基盤(EIP)研究会主査。
15:30-17:30 パネリスト いよいよ導入--能動的サイバー防御!
板倉 陽一郎(ひかり総合法律事務所 パートナー弁護士)
【略歴】2002年慶應義塾大学総合政策学部卒,2004年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程修了,2007年慶應義塾大学法務研究科(法科大学院)修了。2008年弁護士(ひかり総合法律事務所)。2016年4月よりパートナー弁護士。2017年4月より理研AIP客員主管研究員,2018年5月より国立情報学研究所客員教授,2020年5月より大阪大学ELSIセンター招へい教授,2021年4月より国立がん研究センター研究所医療AI研究開発分野客員研究員,2023年9月より早稲田大学次世代ロボット研究機構AIロボット研究所客員上級研究員(研究院客員教授)。当会電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)幹事。
15:30-17:30 パネリスト いよいよ導入--能動的サイバー防御!
木村 雅弘(株式会社ラック サイバー・グリッド・ジャパン ナショナルセキュリティ研究所 所長)
【略歴】1996年東京工芸大学工学部卒業。1999年株式会社ラックに入社しWebシステム開発に従事。2008年データベースセキュリティ研究所、インシデントレスポンスやセキュリティコンサルに従事し、2018年セキュリティ診断センター長に就任。2022年12月より官民人事交流制度を利用し、防衛装備庁次世代装備研究所情報通信研究部サイバーセキュリティ研究室にて主任研究官(防衛技官)を務める。2024年12月株式会社ラックへ帰任。2025年3月よりナショナルセキュリティ研究所長に就任(現任)。2025年7月防衛研究所安全保障戦略特別課程修了。CISSP、情報処理安全確保支援士。また、本業と並行して2017年より陸上自衛隊予備自衛官となり、現在は予備1等陸尉(サイバー・システム防護)。