イベント企画
大学情報入試を振り返る〜大学入学共通テストや個別テスト「情報」の振り返りと、高校現場の対応〜
2025/9/4(木)9:30-12:00
第2イベント会場
【企画概要】2025年度入試から大学入学共通テストで「情報」が出題され、国立大学では原則受験することが求められた。また、個別テストで「情報」を出題する大学も数多くあった。そんな、共通テストや個別テストの実施状況やその内容を振り返るとともに、「大学情報入試元年」とも言える2025年入試に向けて、高校現場がどのような対応をし、また、これらの入試内容をどのように評価しているのかを講演する。そして、講演登壇者全員によるパネルディスカッションを行い、聴衆も交えてその意義や課題、さらに改善のための方策などについて議論する。
全体司会 
中野 由章(工学院大学附属中学校・高等学校 校長 / 情報処理学会情報処理教育委員会委員長)
【略歴】技術士(総合技術監理・情報工学). 情報処理学会シニア会員,情報処理学会情報処理教育委員会委員長.情報オリンピック日本委員会理事. 日本IBM大和研究所,三重県立高校,千里金蘭大学,大阪電気通信大学,神戸市立高校を経て,工学院大学附属中学校・高等学校校長兼工学院大学教育開発センター特任教授. 情報処理学会山下記念研究賞(2015),情報処理学会学会活動貢献賞(2016),科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(2017),情報処理学会大会優秀賞(2018),視聴覚教育・情報教育功労者文部科学大臣表彰(2024)
9:30-9:35 オープニング 
萩谷 昌己(東京大学名誉教授 / 情報処理学会会長)
【略歴】1988年 京都大学理学博士.2001~2022年 東京大学大学院情報理工学系研究科教授.2021年~ 東京大学 Beyond AI 研究推進機構長.2022年~ 東京大学名誉教授.2011~2017年 日本学術会議会員.2020~2022年 情報処理学会副会長.2025年6月~ 情報処理学会会長.
9:35-9:50 講演(1) 北海道科学大学における個別試験科目「情報」の導入~初年度を終えて
稲垣 潤(北海道科学大学 情報科学部 情報科学科 教授)
【概要】北海道科学大学では、大学入学共通テストにおける「情報」の導入のタイミングに合わせ、2025年度入試より個別試験に「情報」を導入した。本学では文系学部、医療系学部を含めたすべての学科の志望者が「情報」を選択することができ、2日間で延べ約1,000名が本科目を受験した。本講演では、その実施概要と結果について報告する。
【略歴】2001年北海道大学大学院工学研究科博士課程修了。同年より北海道東海大学工学部情報システム学科講師、2008年より北海道工業大学(現・北海道科学大学)において講師、准教授、教授の職を経て、現在北海道科学大学情報科学部情報科学科教授。入試広報センター長を務める。福祉情報工学、動作解析、高齢者支援、リハビリテーション支援などに興味を持つ。
9:50-10:05 講演(2) 日本大学文理学部が一般選抜個別テストにおいて文理両方の日程で「情報」を出題
谷 聖一(日本大学 文理学部 情報科学科 教授 / 情報処理学会 情報入試委員会 委員長)
【概要】日本大学文理学部は,人文社会系12学科と理学系6学科の合計18学科からなる学部である。一般選抜の個別方式では,人文社会系の学科の選抜と理学系学科の選別と別日程で行っているが,いずれにおいても令和7年度入学者選抜より「情報」を出題している。本講演では,公開されている令和7年度の出題から,出題の意図などの分析を試みる。また,他大学での取り組みも踏まえ,人文系学科や社会系学科で「情報」を出題する意義について議論する。
【略歴】日本大学文理学部 教授.(一社)情報オリンピック日本委員会 専務理事.計算論的位相幾何学・複雑ネットワーク解析などの研究,および,情報科学の普及活動に従事.IPSJ MOOC(https://sites.google.com/a.ipsj.or.jp/mooc/)「コンピュータとプログラミング」の制作に携わる.
10:05-10:20 講演(3) 電気通信大学における個別テスト「情報」の実施と振り返り
小宮 常康(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)
【概要】電気通信大学では,2025年度入試より,一般選抜前期日程においてこれまで必須であった個別テスト「数学」「英語」「物理」「化学」に新たに「情報」を加え,「物理」「化学」「情報」については,これら3科目から2科目を選択する科目選択制へと変更した.本講演では,その最初の個別テスト「情報」について,受験状況や合格者の声などを可能な範囲で紹介しつつ,その実施状況を振り返る.
【略歴】1996年豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士課程修了.博士(工学).同年京都大学大学院工学研究科情報工学専攻助手.2003年豊橋技術科学大学情報工学系講師.2007年1月電気通信大学大学院情報システム学研究科助教授を経て2016年より現職.プログラミング言語と言語処理系の研究に従事.情報処理学会情報入試委員会幹事.
10:20-10:35 講演(4) 共通テスト「情報Ⅰ」初年度の札幌北高校の対応と今後の課題
前田 健太朗(北海道札幌北高等学校 教諭)
【概要】令和7年度の大学入学共通テストから「情報Ⅰ」が加わり、高校現場では教科としての指導に加え、受験対策としての対応も求められるようになった。札幌北高校における共通テスト「情報Ⅰ」初年度に向けた具体的な取り組み、そこから見えてきた課題や反省点について報告する。
【略歴】1997年北海道立高校の教諭として採用。2017年北海道札幌北高校に赴任、現在に至る。北海道高等学校教育研究会情報部会事務担当を務める。
10:35-10:50 講演(5) 共通テスト「情報」に対する現場の意見と授業改善への足掛かり
井手 広康(愛知県立旭丘高等学校 教諭)
【概要】令和7年1月の大学入学共通テストにおいて,記念すべき第1回目となる「情報」が実施された.初回の実施ということもあり全国平均点はやや高めではあったが,「情報Ⅰ」の学習範囲からまんべんなく出題され,かつ情報と情報技術を身の回りの事象と関連付けて思考・判断する問題が多かったことから,共通テストとして適切な題材と難易度設定であったと考える.本講演では,共通テスト「情報」の題材や難易度に対する現場の意見(愛知県の情報科教員に対するアンケート結果)を紹介するとともに,共通テスト「情報」の出題を踏まえた授業改善への足掛かりについて述べる.
【略歴】愛知県立旭丘高等学校教諭.愛知県立大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了,博士(情報科学).プログラミングやデータサイエンスの教育に関する研究に従事.高等学校情報科の教科書や問題集,全国模試などの執筆にも携わる.情報処理学会初等中等教育委員会副委員長,同会情報科教員・研修委員会副委員長,日本産業技術教育学会理事,日本情報科教育学会理事などを務める.FIT論文賞(2017),山下記念研究賞(2022),学会活動貢献賞(2024)など受賞.
10:50-11:05 講演(6) 令和7年度大学入学共通テスト『情報Ⅰ』の問題評価・分析について
水野 修治(独立行政法人 大学入試センター 試験問題調査官)
【概要】令和7年度大学入学共通テストから教科「情報」が追加され,その試験科目として『情報Ⅰ』が実施された。これは大学入試センターがこれまで実施してきた共通第1次学力試験,大学入試センター試験を通しても,新しく教科が追加されることは初めてのことである。この試験で受験者のどのような資質・能力を測ろうとしたのかを解説し,高校関係者や外部有識者の評価,及び試験結果の分析についてご報告させていただきます。
【略歴】1991年外資系情報機器メーカー入社,1998年愛知県立高等学校教諭に採用,総合教育センター研究指導主事(兼務,教育委員会高等学校教育課指導主事,愛知県立大学情報科学部非常勤講師),高等学校教頭を経て2019年4月より(独)大学入試センター試験問題企画官(情報担当),10月より試験問題調査官.学習指導要領「情報」の調査研究協力者,教科書等著者(共著)
11:05-11:10 休憩 
11:10-11:55 パネル討論 
パネル司会 
ジョニー 中野(工学院大学 教育開発センター 特任教授 / 情報処理学会情報処理教育委員会委員長)
【討論概要】「大学情報入試元年」とも言える2025年入試を終えて、共通テストや個別テストの実施状況やその内容を概観し、出題側や高校側の思い、大学情報入試の意義や課題、さらに改善のための方策などについて、聴衆も交えて議論する。
【略歴】技術士(総合技術監理・情報工学). 情報処理学会シニア会員,情報処理学会情報処理教育委員会委員長.情報オリンピック日本委員会理事. 日本IBM大和研究所,三重県立高校,千里金蘭大学,大阪電気通信大学,神戸市立高校を経て,工学院大学附属中学校・高等学校校長兼工学院大学教育開発センター特任教授. 情報処理学会山下記念研究賞(2015),情報処理学会学会活動貢献賞(2016),科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(2017),情報処理学会大会優秀賞(2018),視聴覚教育・情報教育功労者文部科学大臣表彰(2024)
パネリスト 
稲垣 潤(北海道科学大学 情報科学部 情報科学科 教授)
【略歴】2001年北海道大学大学院工学研究科博士課程修了。同年より北海道東海大学工学部情報システム学科講師、2008年より北海道工業大学(現・北海道科学大学)において講師、准教授、教授の職を経て、現在北海道科学大学情報科学部情報科学科教授。入試広報センター長を務める。福祉情報工学、動作解析、高齢者支援、リハビリテーション支援などに興味を持つ。
パネリスト 
谷 聖一(日本大学 文理学部 情報科学科 教授 / 情報処理学会 情報入試委員会 委員長)
【略歴】日本大学文理学部 教授.(一社)情報オリンピック日本委員会 専務理事.計算論的位相幾何学・複雑ネットワーク解析などの研究,および,情報科学の普及活動に従事.IPSJ MOOC(https://sites.google.com/a.ipsj.or.jp/mooc/)「コンピュータとプログラミング」の制作に携わる.
パネリスト 
小宮 常康(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)
【略歴】1996年豊橋技術科学大学大学院工学研究科博士課程修了.博士(工学).同年京都大学大学院工学研究科情報工学専攻助手.2003年豊橋技術科学大学情報工学系講師.2007年1月電気通信大学大学院情報システム学研究科助教授を経て2016年より現職.プログラミング言語と言語処理系の研究に従事.情報処理学会情報入試委員会幹事.
パネリスト 
前田 健太朗(北海道札幌北高等学校 教諭)
【略歴】1997年北海道立高校の教諭として採用。2017年北海道札幌北高校に赴任、現在に至る。北海道高等学校教育研究会情報部会事務担当を務める。
パネリスト 
井手 広康(愛知県立旭丘高等学校 教諭)
【略歴】愛知県立旭丘高等学校教諭.愛知県立大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了,博士(情報科学).プログラミングやデータサイエンスの教育に関する研究に従事.高等学校情報科の教科書や問題集,全国模試などの執筆にも携わる.情報処理学会初等中等教育委員会副委員長,同会情報科教員・研修委員会副委員長,日本産業技術教育学会理事,日本情報科教育学会理事などを務める.FIT論文賞(2017),山下記念研究賞(2022),学会活動貢献賞(2024)など受賞.
11:55-12:00 クロージング 
遠山 紗矢香(静岡大学情報学部 准教授)
【略歴】静岡県立浜松工業高等学校情報技術科卒業,中京大学大学院情報科学研究科にて博士(認知科学)取得,静岡大学技術職員,同教育学部特任助教ほかを経て,現在同情報学部准教授.小学生から大学生までの情報教育における実践研究を行っている.情報処理学会理事(教育担当),文部科学省学校DX戦略アドバイザー等を務めている.