イベント企画
次期学習指導要領と体系的な情報教育
2026/9/3(木) 15:30-17:30
【企画概要】中教審教育課程部会ワーキンググループにおいて、次期学習指導要領の各教科・科目の内容が具体的に議論され、その内容が固まりつつある。小学校においては、総合的な学習の時間に「情報の領域(仮称)」を付加、中学校においては、現在の技術・家庭科を家庭科と情報・技術科(仮称)の二つの教科に分離、高校においては、文理を問わず生成AI時代に不可欠な基礎的な素養である「特性の理解」を身に付けられるよう情報科の内容を更に充実する方向が示された。また、日本学術会議情報学委員会情報学教育分科会では、「情報教育課程の設計指針」が改訂された。これらを踏まえ、これからの体系的な情報教育のあり方について議論する。
15:30-17:30 進行 
ジョニー ナカノ(工学院大学附属中学校・高等学校 ゼッコーチョー)
【略歴】技術士(総合技術監理・情報工学).情報処理学会シニア会員,情報処理学会情報処理教育委員会委員長.情報オリンピック日本委員会理事.日本IBM大和研究所,三重県立高校,千里金蘭大学,大阪電気通信大学,神戸市立高校を経て,工学院大学附属中学校・高等学校校長 兼 電気通信大学大学院客員教授.情報処理学会山下記念研究賞(2015),情報処理学会学会活動貢献賞(2016),科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(2017),情報処理学会大会優秀賞(2018),視聴覚教育・情報教育功労者文部科学大臣表彰(2024).
15:30-15:35 オープニング 
中野 由章(情報処理教育委員会 委員長)
【略歴】技術士(総合技術監理・情報工学).情報処理学会シニア会員,情報処理学会情報処理教育委員会委員長.情報オリンピック日本委員会理事.日本IBM大和研究所,三重県立高校,千里金蘭大学,大阪電気通信大学,神戸市立高校を経て,工学院大学附属中学校・高等学校校長 兼 電気通信大学大学院客員教授.情報処理学会山下記念研究賞(2015),情報処理学会学会活動貢献賞(2016),科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(2017),情報処理学会大会優秀賞(2018),視聴覚教育・情報教育功労者文部科学大臣表彰(2024).
15:35-15:55 講演(1) 情報活用能力の抜本的向上と小学校「情報の領域」について
登本 洋子(東京学芸大学大学院 教育学研究科 准教授 文部科学省 初等中等教育局 教科調査官)
【概要】生成AIをはじめとする急速な技術革新のもと,情報活用能力は,単なる技能ではなく,各教科等や探究的な学びを支え,駆動する基盤となっています.この理念をどのように教育実践へと落とし込んでいくのか──それは,これからの情報教育に携わる私たちに課せられた新たな使命であると考えます.本講演では,「情報活用能力の抜本的向上」と,次期学習指導要領における小学校の「総合的な学習の時間」に付加される「情報の領域」について概観します.
【略歴】玉川学園高学年(中3~高3)情報科教諭、桐蔭学園中等教育学校/高等学校情報科教諭・探究統括主任を経て現職。東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了、博士(情報科学)。著書に『改訂版 学びの技 14歳からの探究・論文・プレゼンテーション』(玉川大学出版部)など。文部科学省 高等学校情報『情報Ⅰ』授業・研修用コンテンツ「情報Ⅰを学ぶ魅力、楽しさを伝えたい!」ほか。
15:55-16:15 講演(2) 次期学習指導要領が目指す中学校情報・技術科と高等学校情報科の接続の方向性
井手 広康(東京学芸大学 教育学部 講師)
【概要】次期学習指導要領では,情報活用能力の抜本的な向上が教育改革の大きな柱として位置付けられており,小・中・高等学校を一貫した情報教育の体系化が進められている.これに伴い,中学校では技術・家庭科(技術分野)が情報・技術科(仮称)として再編(新設)されるとともに,高等学校情報科においても学習内容の大幅な拡充が予定されている.このような変化の中で,中学校から高等学校への情報教育の円滑な接続はこれまで以上に重要な課題となっている.本講演では,情報・技術WGにおける議論の内容を踏まえ,次期学習指導要領が目指す情報教育の方向性を概観するとともに,中学校情報・技術科(仮称)と高等学校情報科の接続の方向性について解説する.また,情報・技術WGで示された考え方や今後の方向性をもとに,小中高を通じた情報教育の連続性や発展性について整理し,これからの情報教育に求められる視点や学校現場に期待される役割について考える機会としたい.
【略歴】東京学芸大学教育学部講師.愛知県立大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了,博士(情報科学).中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会 情報・技術ワーキンググループ委員,情報処理学会情報処理教育委員会幹事,同会初等中等教育委員会副委員長,同会情報科教員・研修委員会委員,日本産業技術教育学会理事,日本情報科教育学会理事などを務める.FIT論文賞(2017),山下記念研究賞(2022),学会活動貢献賞(2024)など受賞.
16:15-16:35 講演(3) 情報教育課程の設計指針 − 初等教育から高等教育まで(第2版)
中山 泰一(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
【概要】日本学術会議は,2018年に「情報学の参照基準」,2020年に「情報教育課程の設計指針―初等教育から高等教育まで」を公表しました.情報教育課程の設計指針は,情報学の参照基準で示された理念を具体化し,小学校から高等学校,大学までの情報教育を体系化し,各教育段階で情報学のうちから何を学ぶことが望まれるかを「情報教育の共通のものさし」として一貫した形で整理したものです.日本学術会議情報学委員会情報学教育分科会では,2024年より情報教育課程の設計指針の改訂に向けた手続きを進めてきました.本年(2026年)5月12日に「情報教育課程の設計指針 − 初等教育から高等教育まで(第2版)」を公開しましたので報告します.
【略歴】1988年東京大学工学部計数工学科卒業.1993年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.博士(工学).同年より電気通信大学において, 計算機システム,並列分散処理,情報教育の研究に従事.本会において,論文誌ジャーナル編集委員会編集長,教育担当理事,事業担当理事,監事を歴任.2014年度学会活動貢献賞,2016年度山下記念研究賞,2017年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞受賞.日本学術会議連携会員.本会フェロー.
16:40-17:25 鼎談 AIの活用とプログラミング教育の展開
萩谷 昌己(情報処理学会 会長)
【討論概要】次期学習指導要領では、小学校の情報の領域(仮称)、中学校の情報・技術科(仮称)、高等学校情報Ⅰ・Ⅱを通して、AIの活用が推進される。高等学校情報Ⅱでは、内容項目として(3)AIが設けられ、AIに関するおおよその科学的理解が得られることが期待されるが、AIの活用は小学校から始まり、小学生にも理解できるレベルでAIの機能や限界を指導する必要がある。また、AIエージェントによるソフトウェア開発が主流となる中で、プログラミング教育においては、AIを活用してプログラミング過程を加速することにより価値創造教育を展開することが期待されている。AI分野では研究と産業が一体となって異次元の進歩が加速しており、それにともなって教育も同時並行的に進歩することが強く求められている。教育者とAI分野最先端の研究者・技術者が協力して、教育方法や教材を開発しつつ、それらの検証も同時に行っていくことが必要である。特に、情報学関連学会の協力が不可欠である。本鼎談では、電子情報通信学会より内田誠一氏、人工知能学会より野田五十樹氏をお招きして、AIとプログラミング教育について議論していく。
【略歴】1988年 京都大学理学博士.2001~2022年 東京大学大学院情報理工学系研究科教授.2021年~ 東京大学 Beyond AI 研究推進機構長.2022年~ 東京大学名誉教授.2011~2017年 日本学術会議会員.2020~2022年 情報処理学会副会長.2025年6月~ 情報処理学会会長.
16:40-17:25  
内田 誠一(電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 会長)
【略歴】1990年九州大学工学部卒、1992年同大修士修了、1999年同大博士(工学)修了。1992-1996年セコムIS研究所、1999年九州大学助手、2002年助教授、2007年教授、2017年主幹教授、2024年より理事・副学長。文字・文書画像解析を中心とした画像情報学・実データ解析研究に従事。2019年文部科学大臣表彰(科学技術賞)など受賞。2017年より九州大学数理・データサイエンス教育研究センター長。
16:40-17:25  
野田 五十樹(人工知能学会 第18代会長)
【略歴】1992年京都大学大学院工学研究科修了.博士(工学).1992年電子技術 総合研究所入所.組織再編を経て産業技術総合研究所にて研究官・主任研究員・ 研究チーム長・総括研究主幹として,人工知能の研究に従事.2021年より北海 道大学 大学院情報科学研究院教授.株式会社未来シェア取締役.産業技術総 合研究所 招聘研究員,理化学研究所 客員主管研究員.2014-2017年RoboCup Federation President.2020-2022年人工知能学会会長.
17:25-17:30 クロージング 
赤澤 紀子(電気通信大学/情報処理学会 アドミッションセンター 特任教授/教育担当理事)
【略歴】電気通信大学大学院博士前期課程修了後,1997年日本電気(株)入社.2015年電気通信大学大学院博士後期課程修了,博士(工学).電気通信大学特任助教、特任准教授を経て、現在アドミッションセンター特任教授.専門は情報教育.情報処理学会理事(教育担当),コンピュータと教育研究会幹事,会誌編集委員(教育分野/EWG),論文誌「教育とコンピュータ」編集委員.