IoTが拓く未来:~アフターコロナ社会に向けたIoTの将来像を探る~
8/26(木) 9:30-12:30
第2イベント会場(オンライン)
【セッション概要】 来たるべき超スマート社会(Society5.0)においては、IoT(Internet of Things)でつながった人や機器から生み出される膨大・多様なデータを、AIやビッグデータ処理などの情報科学技術により分析・活用し、知的な機器等をニーズに合わせて制御することにより、新しい価値やサービスを創発することが期待されています。
本企画セッションでは、IoT機器から得られるPhysicalデータをリアルタイムに統合・分散処理する技術、IoT環境における機能・性能・実装の課題を飛躍的に解決する技術、IoT機器の脆弱性やデータ保全性等の課題を根本的に解決するセキュリティ技術やプライバシー強化技術等の最新研究動向を俯瞰するとともに、これらの要素技術を利活用したIoTサービスの将来像と今後の研究開発課題を議論します。
9:30-11:30 司会 成果発表 〜IoTが拓く未来〜
桐葉 佳明(科学技術振興機構 戦略研究推進部 主任調査員)
【略歴】 Yoshiaki Kiriha is a senior staff in Japan Science and Technology agency, and was a project researcher in the University of Tokyo during 2016-2018. He received an M.S. Degree in Electrical Engineering from Waseda University in 1987. He then joined NEC, where he worked in the R&D division for around 30 years, and has led many projects related to distributed database systems, real-time systems, as well as Future Internet service & management systems.
11:30-12:30 パネルコーディネータ パネル討論 ~アフターコロナ社会に向けたIoTの将来像を探る~
徳田 英幸(情報通信研究機構 理事長)
【略歴】 慶應義塾大学工学部卒。同大学院工学研究科修士。ウォータールー大学計算機科学科博士(Ph.D. in Computer Science) 。1983年、米国カーネギーメロン大学計算機科学科に勤務、研究准教授を経て、1996年より、慶應義塾大学環境情報学部 教授。慶應義塾常任理事、同大学院政策・メディア研究科委員長などを経て、2017年から情報通研究機構 理事長。主に、ユビキタスコンピューティングシステム、オペレーティングシステム、分散システム、IoT、サイバーフィジカルシステム、センサネットワークなどに関する研究に従事。
9:30-9:50 講演(1) UAVから観測した疎な点群に基づく構造物の形状推定
廣森 聡仁(大阪大学 大学院情報科学研究科 准教授)
【概要】 複数の UAVに搭載された測域センサにより周辺の領域を協調して計測し,また,計測された点群データをそれらに搭載された小型計算機上のみで処理することにより,街区全体における,街中における様々な人やモノの存在及びその形状を迅速に把握可能なセンシング基盤の研究開発について紹介する.一般に,ドローンが移動中に得られた三次元点群の密度は,ドローンの移動速度,LiDAR の観測周波数,LiDAR から対象物までの距離,LiDAR の分解能に依存し,対象領域全体を短時間で計測できるよう,ドローンが高速に移動する際には,観測周期毎の移動距離が大きくなるため,得られる点群の密度は低下する.そのため,ある程度の距離の計測からでも対象物を認識できるよう,疎な点群からだけでも対象物の存在及び形状を段階的に把握する手法について検討をすすめており,この手法により,都市部における構造物の形状をある程度把握できることを示す.
【略歴】 2004年 大阪大学 大学院基礎工学研究科 博士後期課程修了。博士(工学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、2005年より2008年まで、株式会社NTTドコモに所属し、セルラーネットワークにおけるモビリティ制御及びネットワーク品質制御の研究開発に従事。同年より、大阪大学大学院情報科学研究科に所属し、ネットワークシミュレーションの大規模化及び効率化、電子トリアージ、災害時通信ネットワーク、ITSネットワーク、人流及び交通流推定技術の研究開発に従事。
9:50-10:10 講演(2) IoTデータストリームのデータ流通における価格決定手法の一提案
吉廣 卓哉(和歌山大学 システム工学部 准教授)
【概要】 小型IoTデバイスから取得したデータを流通させる経済モデルや価格決定モデルが複数提案されているが、データは自由にコピーできる性質があり、従来から研究されてきたオークションモデル等が適用できない場面が多い。また、IoTデバイスのデータは集合として価値を持つ場合が多いが、このようなデータセットに対して需要に基づいた適切な価格設定をする手法は検討されていない。本研究ではIoTデータの販売に需要に基づいた競争原理を導入し、妥当な価格で経済流通させる方法について検討する。本研究の経済流通モデルでは、IoTセンサの所有者がブローカを信頼して価格決定と販売を委任する。ブローカは競争原理に基づいたアルゴリズムにより動的に価格を調整する。同時に、価格競争により競合センサの価格が不当に低下しないように、競合センサ間で動的に価格協力を行う。シミュレーション評価の結果、本手法により、需要に基づいた妥当な価格に収束できることを示した。
【略歴】 1998年京都大学工学部卒。2000年同大学大学院情報学研究科博士前期課程修了。2003年同博士後期課程修了。博士(情報学)。和歌山大学システム工学部助手、助教、講師を経て、2012年より同大学准教授。グラフ理論、インターネットルーティング、無線アドホックネットワーク、IoT、データの経済流通等の研究に従事。2018年情報処理学会論文賞を受賞。
10:10-10:30 講演(3) リアルタイムデータを活かした新たな防災ITの実現に向けて
廣井 慧(京都大学 防災研究所 准教授)
【概要】 センシング技術や解析技術などの発達で災害状況においてもリアルタイムデータの収集が可能になりつつあります。こうした技術、データを活用したICTに関する最新の研究成果を活用し、次の防災ITの目指すべき姿とその概念実証である防災IT連携基盤について紹介します。さらに世界各地で多発している洪水などの水害リスクに対し、これからの防災ITをどう構築すべきか今後の展望を語ります。
【略歴】 2004年東北大学工学部電子工学専攻卒業。同年東日本電信電話株式会社入社。
2014年慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科博士(メディアデザイン学)。名古屋大学未来社会創造機構特任助教、同大学工学研究科助教を経て、
2020年から京都大学防災研究所巨大災害研究センター准教授。防災情報システム、災害情報の時空間解析の研究に従事。
10:30-10:50 講演(4) 無線通信端末による分散機械学習
西尾 理志(東京工業大学 工学院情報通信系 准教授)
【概要】 本講演では、通信ネットワークで接続された多数の端末が協調して学習を行うFederated Learning(FL)、および、FLにおける通信トラヒックを削減するための新たな手法について紹介する。IoT機器により収集したデータと機械学習を活用することで様々なアプリケーションの創出が期待される一方で、プライバシセンシティブなデータを収集・集約することは大きなリスクを伴う。FLは、データをローカル機器に保持したまま、そのデータを活用した機械学習が可能な新たな学習フレームワークである。しかし、学習時に大量の通信トラヒックが発生するという課題がある。そこで、本研究では、少量のトラヒックで分散協調的に学習を行う新たな手法を提案した。本手法により、100分の1程度のトラヒックでFLと同程度以上の性能のモデルの学習を可能とする。
【略歴】 2010年 京都大学工学部電気電子工学科卒。
2013年同大大学院情報学研究科博士後期課程修了。
2012-2013年 日本学術振興会特別研究員(DC1)。
2013-2020年同大学院 助教。
2016-2017年 米国ラトガース大学WINLAB客員研究員。
2020年 東京工業大学工学院情報通信系 准教授。 無線ネットワークと機械学習の研究に従事。
電気通信普及財団 テレコムシステム技術賞, IEEE 関西支部 Young Professionals賞, 電子情報通信学会学術奨励賞, 船井情報科学振興財団研究奨励賞, 各賞受賞.
10:50-11:10 講演(5) IoTデータに対するプライバシ保護データ解析
清 雄一(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 准教授)
【概要】 様々な人や組織がIoTデータ及びWeb上のデータを横断的に活用した新たなサービスの構築・普及を考えており、今後これらのデータを流通させ、組み合せて活用していく制度やインフラが整っていくことが予想される。しかしながら、どこから個人のプライバシ情報が漏洩するかを予想することが困難になり、プライバシを保護する共通的で強固な枠組みの構築が重要な課題となる。また、誤差や欠損のあるデータへの対応が必要となる。これまでの取り組みから得られた知見を報告する。
【略歴】 2009年東京大学大学院情報理工学系研究科博士後期課程修了。同年三菱総合研究所入社。現在、電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻准教授。エージェント技術,機械学習工学やオープンデータ活用等の研究に従事。
11:10-11:30 講演(6) 持続可能なIoTに向けた無線センシングの取り組み
内山 彰(大阪大学 大学院情報科学研究科 助教)
【概要】 一般に広くIoTを普及させるためには、充電や電池交換の手間を無くし、メンテナンスフリー化することで、その持続可能性を高めることが重要である。そこで本研究では、Wi-Fiなどの電波を利用して人・物の存在や動きを認識する無線センシングの適用可能な環境を拡張するとともに、実現可能なアプリケーションの拡充を目指している。無線センシングは、基地局などのインフラ側でのセンシングが可能であり、本質的にメンテナンスフリーの実現が可能であるが、複数の対象が存在する場合にそれらの区別が困難であったり、環境変化の影響を受けやすく、適用可能な状況が限定的という課題が存在する。本講演では、メンテナンスフリーなタグを設計開発し、人や物に付与することで、対象の識別を実現するとともに、人や物のコンテキストを推定する取り組みについて紹介する。
【略歴】 2008年大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了。博士(情報科学)。2009年より、大阪大学大学院情報科学研究科助教。2019年よりJSTさきがけ研究者を兼任。現在、モバイルコンピューティング、モバイルセンシングのヘルスケア、スポーツ応用、無線センシングなどの研究に従事。電子情報通信学会SeMI研専幹事、情報処理学会MBL研究会幹事などを歴任。
11:30-12:30 パネリスト
高島 洋典(JST CRDS フェロー)
【略歴】 国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センターフェロー。1979年京都大学大学院工学研究科修士課程電子工学専攻修了、同年NEC入社。同社システム基盤ソフトウェア開発本部長、サービスプラットフォーム研究所長、中央研究所支配人などを経て、2012年より現職。情報通信分野における技術・社会動向の俯瞰調査ならびに、戦略的研究プロポーザルの作成に従事。
11:30-12:30 パネリスト
吉岡 克成(横浜国立大学 大学院環境情報研究院 准教授)
【略歴】 2005年より(独)情報通信研究機構にてインシデント対策センターNICTERの研究開発に従事。2008年より横浜国立大学にてサイバーセキュリティ研究開発を開始。2009年文部科学大臣表彰、2016年産学官連携功労者表彰総務大臣賞、2017年情報セキュリティ文化賞。総務省「国際連携によるサイバー攻撃の予知即応技術の研究開発」「電波の有効利用のための IoT マルウェア無害化/無機能化技術等に関する研究開発」他、研究開発プロジェクトに多数参画。博士(工学)。
11:30-12:30 パネリスト
田中 雄一(東京農工大学 大学院工学研究院 准教授)
【略歴】 2007年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了.博士 (工学).日本学術振興会 特別研究員 (PD),宇都宮大学大学院工学研究科助教を経て2012年より東京農工大学大学院工学研究院准教授.2016年よりJSTさきがけ「新しい社会システムデザインに向けた情報基盤技術の創出」,「IoTが拓く未来」研究者を兼務.専門は信号情報処理,特にグラフ信号処理,画像処理,生体情報処理.
11:30-12:30 パネリスト
塩川 浩昭(筑波大学 計算科学研究センター 准教授)
【略歴】 2009年筑波大学第三学群情報学類卒業.2011年同大学院博士前期課程修了.2011年4月より日本電信電話株式会社勤務の後,2015年筑波大学大学院博士後期課程修了,博士(工学).2015年から2020年,筑波大学計算科学研究センター助教を経て,2020年4月より同センター准教授.データベース,データマイニング,特に大規模データ処理の高速化に関する研究に従事.
11:30-12:30 パネリスト
山内 利宏(岡山大学 学術研究院 自然科学学域 教授)
【略歴】 1998年九州大学工学部情報工学科卒業.2002年九州大学大学院システム情報科学府博士後期課程修了.2002年九州大学大学院システム情報科学研究院助手.2005年岡山大学大学院自然科学研究科助教授.2019年より,JSTさきがけ研究員兼任.2021年から現職.博士(工学).オペレーティングシステム,コンピュータセキュリティ,IoTセキュリティ等の研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,ACM,USENIX,IEEE各会員.
11:30-12:30 パネリスト
五十部 孝典(兵庫県立大学 大学院応用情報科学研究科 准教授)
【略歴】 神戸大学大学院 修士課程を修了後、ソニー株式会社にて暗号技術の研究開発に従事。暗号解読技術の研究、軽量暗号やソフトウェア保護技術の設計開発、製品・サービスの安全性評価、暗号ソフトウェア開発業務の携わり、2017年4月より現職。2013年 神戸大学大学院 博士後期課程(工学)修了、2013-2014年 デンマーク工科大学客員研究員、2018年から情報通信研究機構サイバーセキュリティ研究所 招へい研究員、2020年からJST さきがけ兼任研究員。