トップコンファレンス2-1 ハードウェア
2024/9/4 13:10-15:10
第4イベント会場

座長:土屋 達弘(大阪大学)

13:10-13:30 講演(1) 【タイトル邦題】 アウトオブオーダープロセッサ向けリネーム不要命令セットアーキテクチャ「Clockhands」
小泉 透(名古屋工業大学 情報工学科 助教)
【原発表の書誌情報】 Koizumi, T., Shioya, R., Sugita, S. Amano, T., Degawa, Y., Kadomoto, J., Irie, H., Sakai, S: Clockhands: Rename-free Instruction Set Architecture for Out-of-order Processors, Proc. of the 56th Annual IEEE/ACM International Symposium on Microarchitecture (MICRO '23), pp. 1-16 (2023).
【概要】 レジスタリネーミングは、アウトオブオーダープロセッサのフロントエンドパイプラインの主要なボトルネックである。本研究ではこれを取り除くため、レジスタオペランドの指定に「レジスタ間距離」という新しい表現を用いる命令セットアーキテクチャ、「Clockhands」を提案し、評価を行った。
【略歴】 2016年東京大学理学部化学科卒業。2018年東京大学工学部電子情報工学科卒業。2023年東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士後期課程修了。博士(情報理工学)。同年より名古屋工業大学情報工学科助教。プロセッサアーキテクチャと浮動小数点数演算の研究に従事。
13:30-13:50 講演(2) 【タイトル邦題】 大規模計算における全配置間相互作用法の分散並列化:一兆パラメータへの適用
高 虹(富士通 CWB CPJ)
【原発表の書誌情報】 Hong Gao, Satoshi Imamura, Akihiko Kasagi, and Eiji Yoshida Journal of Chemical Theory and Computation 2024 20 (3), 1185-1192 DOI: 10.1021/acs.jctc.3c01190
【概要】 本論文では,マルチスレッドとマルチプロセスのハイブリッド実装と最適化により,変分量子固有値解法(VQE)などの近似化学計算の精度基準である全配置間相互作用法(FCI)の適用範囲を拡大し,史上最大規模のFCI計算を実現した.
【略歴】 2012年に群馬大学大学院工学研究科修士課程修了後,富士通研究所入社.2018年情報処理学会業績賞受賞.現在,大規模量子化学計算とディープラーニングの高速化に関する研究に従事.
13:50-14:10 講演(3) 【タイトル邦題】 SurgeFuzz: サージに着目した CPU 設計のための指向型ファジング
杉山 優一(東京大学 大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻)
【原発表の書誌情報】 Yuichi Sugiyama, Reoma Matsuo, and Ryota Shioya: "SurgeFuzz: Surge-Aware Directed Fuzzing for CPU Designs", IEEE/ACM International Conference on Computer-Aided Design (ICCAD), pp. 1-9 (2023).
【概要】 本論文では、CPU 設計のバグを自動的に発見するファジング手法「SurgeFuzz」を提案する。提案手法では、特定のイベントが高頻度で発生する「サージ」と呼ぶ現象を CPU 内で発生させる。これにより、CPU 内の例外的な処理を意図的に引き起こし、それを効果的に検証する。大規模な CPU 設計を対象とした評価を行い、既存の手法では発見が困難だった複数の未知のバグを発見した。
【略歴】 2022年 東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 博士前期課程修了。同年に同専攻の博士後期課程に進学し、在籍中。ソフトウェアおよびハードウェアのセキュリティに特に興味を持ち、研究を行っている。
14:10-14:30 講演(4) 【タイトル邦題】 PIMによるメモリ階層でのコヒーレントなマルチデータビューの実現
藤木 大地(東京工業大学 科学技術創成研究院 准教授)
【原発表の書誌情報】 Fujiki, Daichi. "MVC: Enabling Fully Coherent Multi-Data-Views through the Memory Hierarchy with Processing in Memory."In Proceedings of the 56th Annual IEEE/ACM International Symposium on Microarchitecture, pp. 800-814. 2023.
【概要】 本研究では、メモリ内計算(PIM)を使用し、不規則なメモリアクセスを最適化するフレームワークMVCを提案する。MVCは、ユーザー定義のコンパクトなデータ構造表現であるコヒーレントビューを導入し、PIM出力の再利用性を高める。これにより、様々なアプリケーションの性能と効率が向上する。
【略歴】 2016年慶應義塾大学理工学部情報工学科卒業
2022年University of Michigan, Ann Arbor, Ph.D.
同年慶應義塾大学理工学部情報工学科助教
2023年東京工業大学科学技術創成研究院准教授
インメモリ計算、ゲノム処理アクセラレータ、データ中心型計算等の研究に従事。
14:30-14:50 講演(5) 【タイトル邦題】 効率的な負荷分配による高並列疎行列積アーキテクチャの研究
永原 雄大(東京工業大学 大学院工学院情報通信コース 学生)
【原発表の書誌情報】 Yuta Nagahara, Jiale Yan, Kazushi Kawamura, Masato Motomura, Thiem Van Chu, “Sparse-Sparse Matrix Multiplication Accelerator on FPGA featuring Distribute-Merge Product Dataflow,” Asia and South Pacific Design Automation Conference (ASP-DAC), 2024, pp. 785-791
【概要】 疎行列疎行列積(SpMSpM)は様々な分野で応用される計算処理であるが,データの局所性が低く,既存の汎用計算機が苦手としている.本研究では,疎行列のデータ分布に依存しない負荷均等化を考慮して設計されたデータフローをもとに新たなSpMSpMアーキテクチャの設計を行う.
【略歴】 2022年東京工業大学工学院情報通信系卒業.
2024年東京工業大学工学院情報通信系修士過程修了.
現在,同学の科学技術創成研究院AIコンピューティング研究ユニットにてコンピュータアーキテクチャ,FPGA等に関する研究を行っている.