トップコンファレンス3-2 コンピュータグラフィックス
2024/9/4 15:30-17:30
第5イベント会場

座長:佐藤 周平(法政大学)

15:30-15:50 講演(1) 【タイトル邦題】 境界値問題のための実用的なウォーク・オン・バウンダリー法
杉本 隆介(University of Waterloo David R. Cheriton School of Computer Science 博士課程学生)
【原発表の書誌情報】 Ryusuke Sugimoto, Terry Chen, Yiti Jiang, Christopher Batty, and Toshiya Hachisuka. 2023. A Practical Walk-on-Boundary Method for Boundary Value Problems. ACM Trans. Graph. 42, 4, Article 81 (jul 2023), 16 pages.
【概要】 ウォーク・オン・バウンダリー法は、偏微分方程式の境界値問題を積分方程式として表し、レンダリング問題におけるモンテカルロレイトレーシングの手法を用いて解く。既存の手法では扱えなかった境界条件や定義域も扱うことができ、多様な分散減少手法を適用することもできる。
【略歴】 2019年香港科技大学において計算機科学及び数学専攻の理学士課程修了後、University of Waterloo Computer Science博士課程に在籍。在学中インターンとしてSideFXでのVFXソフトウェアHoudiniの開発や、Adobe Researchでの研究にも従事。博士課程においては、蜂須賀恵也准教授とChristopher Batty准教授の指導のもと、積分方程式とモンテカルロ法のレンダリング問題以外への応用を研究。https://rsugimoto.net
15:50-16:10 講演(2) 【タイトル邦題】 AniFaceDrawing: ユーザのスケッチ過程を考慮したアニメ画生成
謝 浩然(北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 准教授)
【原発表の書誌情報】 Z.Huang, H. Xie, T. Fukusato, K. Miyata. 2023. AniFaceDrawing: Anime Portrait Exploration during Your Sketching. In ACM SIGGRAPH 2023 Conference Proceedings (SIGGRAPH '23). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 14, 1–11. https://doi.org/10.1145/3588432.3591548
【概要】 近年,生成系人工知能(生成AI)を応用し,ラフなスケッチ画から高品質なアニメ画を自動生成する方法が模索されてきた.しかし,ユーザが描くラフなスケッチは,描きたいアニメ画の完成図を予測するための情報が不足しているため,創作意図に沿った高品質な画像を生成することが非常に難しい.この問題に取り組むために,本研究では,制作過程における線の描き方をシミュレートし,ラフなスケッチから高品質なアニメ画を生成する新たな生成AI技術を提案する.
【略歴】 2015年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程修了.2014年より日本学術振興会特別研究員.2015年より東京大学大学院情報理工系研究科研究員・特任助教.2018年より北陸先端科学技術大学院大学先端科学研究科助教・講師を経て,2023年より同准教授,現在に至る.コンピュータグラフィックス及びユーザインタフェースの研究に従事.ACM SIGGRAPH Asia 2024 Educators Forum Chair, NICOGRAPH International 2025 Conference Chair.
16:10-16:30 講演(3) 【タイトル邦題】 ステルス・シェイパー: 曲面のスタイル化を用いた反射特性の最適化
東條 建治(東京大学 大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻梅谷研究室 博士二年)
【原発表の書誌情報】 Kenji Tojo, Ariel Shamir, Bernd Bickel, and Nobuyuki Umetani. 2023. Stealth Shaper: Reflectivity Optimization as Surface Stylization. In ACM SIGGRAPH 2023 Conference Proceedings (SIGGRAPH '23). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 20, 1–10. https://doi.org/10.1145/3588432.3591542
【概要】 本発表では、鋭い稜線を特徴とするステルス性を備えた形状に着想を得た、反射特性に基づく自由形状最適化手法を紹介する。具体的には、入力形状と所望の反射特性が与えられた時に、適切に形状を変更することで、入力形状を大きく損なうことなく反射特性の最適化を行う手法を提案した。本手法は微分可能な光輸送シミュレーションと、弾性エネルギーを応用した形状変形を組み合わせることで、反射特性の最適化と入力形状の保存を両立できた。また、3Dプリンタを用いた実験により、最適化された形状が実際に所望の反射特性を示すことも確認した。
【略歴】 2023年東京大学大学院情報理工学研究科修士課程卒。2024年現在、同研究科博士二年。微分可能レンダリング技術を用いた幾何形状の最適化、特にファブリケーション可能な三次元形状の最適化の研究に従事。
16:30-16:50 講演(4) 【タイトル邦題】 動画像と類似性解析に基づく非ニュートン流体の物性推定
濱道 光希(青山学院大学 大学院理工学研究科理工学専攻 CG 研究室 博士後期課程 1 年)
【原発表の書誌情報】 Mitsuki Hamamichi, Kentaro Nagasawa, Masato Okada, Ryohei Seto, and Yonghao Yue. Non-Newtonian ViRheometry via Similarity Analysis. ACM Transactions on Graphics, 42(6) (Proc. of SIGGRAPH Asia 2023), 193:1-16, 2023, doi: 10.1145/3618310
【概要】 混入物を含むせん断依存性のある流体状物質のハーシャル・バルクレイパラメータの推定手法を提案する. 本研究では,試料に対してダム崩壊実験を行い流動する様子を撮影した映像と,シミュレーションを用いたパラメータの最適化によって,物性を推定する.最適化におけるロスランドスケープには,パラメータの区別が困難になる実験設定依存の類似性関係が存在しているため,複数の実験設定を使用して最適化を行う.本手法では類似性関係のヘッセ行列を活用し,追加の実験を自動で提案するフレームワークを構築することで,推定性能を改善した.
【略歴】 2021年 青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科 卒業
2023年 青山学院大学大学院理工学研究科理工学専攻 知能情報コース 修了
2024年現在,同研究科博士後期課程 1 年
16:50-17:10 講演(5) 【タイトル邦題】 夜空における光害の効率的な可視化
土橋 宜典(北海道大学 大学院情報科学研究院 教授)
【原発表の書誌情報】 Yoshinori Dobashi, Naoto Ishikawa, Kei Iwasaki, "Efficient Visualization of Light Pollution for the Night Sky,"ACM Trans. on Graphics (Proc. SIGGRAPH Asia 2023), Vol. 42, No. 6, Article 219 (2023/12)
【概要】 光害とは、過剰な人工照明によって夜空が明るくなりすぎる現象を指す。本研究では、都市の光源分布から夜空の光害を効率的に可視化する新システムを提案する。主成分分析と高速フーリエ変換を適用し、1000倍程度の高速化を実現した。
【略歴】 1992年,広島大学工学部卒業.1994年,同大大学院工学研究科博士課程前期修了.1997 年,同大博士課程後期修了.同年,広島市立大学情報科学部助手.2000年,北海道大学大学院工学研究科助教授.2004年,同大大学院情報科学研究科助教授.2008年,同大大学院情報科学研究科准教授.2020年,同大大学院情報科学研究院教授.工学博士.主としてコンピュータグラフィックスに関する研究に従事.文部科学大臣表彰科学技術賞ほか.
17:10-17:30 講演(6) 【タイトル邦題】 Decaf: 顔と手のインタラクションのための単眼デフォメーションキャプチャ
Shimada Soshi(Netflix Research Scientist)
【原発表の書誌情報】 Soshi Shimada, Vladislav Golyanik, Patrick Pérez, Christian Theobalt, Decaf: Monocular Deformation Capture for Face and Hand Interactions, ACM Transactions on Graphics (TOG)
【概要】 The first monocular motion capture method that captures 3D hand and face motions and their interactions from a single video. Our model treats hands as articulated objects causing non-rigid face deformations. Decaf relies on a new dataset of hand-face interactions, featuring realistic face deformations captured with a markerless multi-view camera system. By processing raw 3D shapes with position-based dynamics and a technique for estimating head tissue stiffness, we obtain accurate annotations of deformations, contact regions, and positions. Our neural approach uses a variational auto-encoder for hand-face depth and modules for 3D tracking, producing more realistic and plausible 3D reconstructions of hands and faces compared to several baselines.
【略歴】 2019: Master degree in TU Kaiserslautern, Germany
2022: Research Intern at Google, Switzerland
2024: PhD in Max Planck Institute for Informatics, Germany
Current:Research Scientist at Netflix, USA