座長:林 雄介(広島大学)
9:30-9:50 講演(1) 【タイトル邦題】 VisPhoto: 全方位カメラ画像の後処理による視覚障害者向け写真撮影 | |
岩村 雅一(大阪公立大学 大学院情報学研究科 基幹情報学専攻 准教授) | |
【原発表の書誌情報】 Naoki Hirabayashi, Masakazu Iwamura, Zheng Cheng, Kazunori Minataniand, and Koichi Kise, VisPhoto: Photography for People with Visual Impairments via Post-Production of Omnidirectional Camera Imaging, Proceedings of the 25th International ACM SIGACCESS Conference on Computers and Accessibility (ASSETS), pp.1-17 (2023-10) | |
【概要】 視覚障害を持つ多くの人は写真を撮りたいと思っています。しかし、カメラを対象物に向けるのが難しいことがよくあります。この論文では、この問題に対処するために、VisPhoto と呼ばれる新しい写真撮影システムを提案します。従来の方法とは異なり、VisPhoto は後処理で「写真を生成」します。シャッターボタンが押されると、VisPhoto はカメラの周囲のシーンを含む全方位カメラ画像をキャプチャします。後処理では、システムはユーザーの好みを満たす「写真」として切り取られた領域を出力します。 | |
【略歴】 1998年東北大・工・通信卒.2003年同大大学院博士課程了.同年同大大学院工学研究科助手.2004年阪府大大学院工学研究科助手,准教授などを経て,現在大阪公立大学大学院情報学研究科准教授.博士(工学).文字・物体認識,視覚障害者支援などの研究に従事.2006年度ならびに2021年度電子情報通信学会論文賞,2007年IAPR/ICDAR Best Paper Award,2010年IAPR Nakano Award,ICFHR Best Paper Award,2011年IAPR/ICDAR Young Investigator Award,2017年MVA Best Paper Award,2023年SIGACCESS Best Paper Award各受賞.2013年からInternational Journal of Document Analysis and Recognition (IJDAR) Associate Editor.2016年〜2018年IAPR TC11 (Reading Systems) Vice Chair.2020年〜2022年電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究専門委員会副委員長.2021年〜2023電子情報通信学会英文論文誌編集副委員長. | |
9:50-10:10 講演(2) 【タイトル邦題】 TouchPilot: 視覚障害者が複雑な3D構造を学ぶためのガイダンスシステムのデザイン | |
Xiyue Wang(日本科学未来館 アクセシビリティラボ 研究員) | |
【原発表の書誌情報】 Xiyue Wang, Seita Kayukawa, Hironobu Takagi, and Chieko Asakawa. 2023. TouchPilot: Designing a Guidance System that Assists Blind People in Learning Complex 3D Structures. In Proceedings of the 25th International ACM SIGACCESS Conference on Computers and Accessibility (ASSETS '23). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 5, 1–18. https://doi.org/10.1145/3597638.3608426 | |
【概要】 視覚障害者が立体的に複雑な構造を学ぶには,触れた場所を説明する既存のシステムでは不十分である.本研究で提案するガイダンスシステム「TouchPilot」では,全体構成を把握し,段階的に詳細構造を知るに至るプロセスのナビゲーションと音声ガイドを提供.これにより,学習効果と学びの自立性が向上することが示された. | |
【略歴】 博士(情報科学).日本学術振興会特別研究員DC2を経て,2021年東北大学データ科学国際共同大学院プログラムおよびシステム情報科学専攻博士後期課程修了.同年より科学技術振興機構(JST)日本科学未来館 研究員(常勤).現在,視覚障害や多様なニーズを持つ人々にバリアフリーの博物館・科学館体験を提供するため、タンジブルと触覚的なユーザインターフェースの研究に従事. | |
10:10-10:30 講演(3) 【タイトル邦題】 デジタル教科書システムの操作ログ埋め込み特徴獲得のための対照学習 | |
峰松 翼(九州大学 データ駆動イノベーション推進本部 准教授) | |
【原発表の書誌情報】 Tsubasa Minematsu, Yuta Taniguchi, Atsushi Shimada Contrastive Learning For Reading Behavior Embedding in E-book System The 24th International Conference on Artificial Intelligence in Education (AIED2023), Vol.1, pp.426-437, 2023.07 | |
【概要】 デジタル教科書システムの操作ログを対象に,操作種類・操作間隔を組み合わせた特徴表現を獲得可能な対照学習手法を提案する.提案手法による特徴表現が,従来の操作種類の数え上げベースの特徴表現に比べて,At-risk学生検出タスクにおいて,高い検出性能を示した.また,提案手法によって獲得された特徴空間を分析し,操作種類・操作間隔に関する特徴表現について評価した. | |
【略歴】 2018年九州大学大学院システム情報科学府情報知能工学専攻博士後期課程修了.博士(工 学).同年,九州大学大学院システム情報科学研究院助教.2023年より九州大学データ駆動イノベーション推進本部准教授.パターン認識・教育データ分析に関する研究に従事. | |
10:30-10:50 講演(4) 【タイトル邦題】 オンライン講義におけるリアルタイムな受講態度推定法の開発と検証 | |
菊地 真人(名古屋工業大学 助教) | |
【原発表の書誌情報】 Peng, Y., Kikuchi, M., Ozono, T.: Development and Experiment of Classroom Engagement Evaluation Mechanism During Real-Time Online Courses, The 24th International Conference on Artificial Intelligence in Education (AIED 2023), pp.590–601 (2023), doi: 10.1007/978-3-031-36272-9_48. | |
【概要】 オンライン講義では、全学生の様子を観察しながら講義を進めることが難しい。本研究では、学生のPCにあるウェブカメラから頭部の動きと表情を推定し、推定結果を集約して学生全体の受講態度推定をリアルタイムで行うシステムを開発した。実験では、受講態度推定に頭部の動きと表情の両方を用いることの有効性、および模擬講義における実用性を確認した。 | |
【略歴】 2021年 豊橋技術科学大学大学院 工学研究科 情報・知能工学専攻 博士後期課程修了。同年より名古屋工業大学助教、現在に至る。博士(工学)。自然言語処理、データ工学、Webインテリジェンス、教育工学に関する研究に従事。SMASH21 Summer Symposium 奨励賞、FIT論文賞(2021)、SMASH22 Winter Symposium 奨励賞および優秀賞、ESKM2022 Honorable Mention Award、SMASH23 Winter Symposium 優秀賞などを受賞。 | |
10:50-11:10 講演(5) 【タイトル邦題】 授業形態の多様化に着目した大学横断型シラバス解析のための精選補助情報結合トピックモデル | |
志賀 憲太郎(株式会社カカクコム) | |
【原発表の書誌情報】 Shiga, K. and Morimoto, N.: Joint Topic Model with Selected Side Information for Inter-University Syllabus Analysis Focusing on the Variety of Instructional Approaches, Proceedings of the 19th International Conference on Intelligent Tutoring Systems (ITS), pp.638-650 (2023). | |
【概要】 近年、大学教育においては授業形態の多様化と、オンライン講座など大学横断的な履修機会の拡大が進展している。学生は大学の垣根を越えて多くのシラバスを参照する必要があるが、授業形態区分などシラバスの記載方法が大学間で統一されていない。このため、直接的なシラバスの単語検索だけでは、学生の嗜好に合わせた履修推薦を実現することが困難である。この問題を解決するため、結合トピックモデルという文書クラスタリング手法に注目し、複数大学の授業内容と授業形態の関係を解析する手法を提案する。 | |
【略歴】 2022年、三重大学工学部情報工学科卒業。2024年、大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻修了。同年、株式会社カカクコムに入社。 | |
11:10-11:30 講演(6) 【タイトル邦題】 言語の習得と忘却のモデル化 | |
Ma Boxuan(九州大学 基幹教育院 助教) | |
【原発表の書誌情報】 Boxuan Ma, Gayan Prasad Hettiarachchi, Sora Fukui, and Yuji Ando. 2023. Each Encounter Counts: Modeling Language Learning and Forgetting. In LAK23: 13th International Learning Analytics and Knowledge Conference (LAK2023). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, 79–88. https://doi.org/10.1145/3576050.3576062 | |
【概要】 言語学習アプリは個別最適化を目指すが、学習者の言語知識を正確に予測することは記憶と想起に関わる忘却の影響で困難である。本研究では、ディープラーニングと注意機構を用いて忘却情報、問題形式、単語の意味的類似性など重要な要素を取り入れた単語想起確率予測モデルを提案し、検証を行った。 | |
【略歴】 2021年九州大学大学院システム情報科学府情報知能工学専攻博士後期課程修了。同年OpenDNA株式会社入社。最適な語彙学習支援システム研究に従事。2023年九州大学助教に着任、現在に至る。人工知能、ヒューマンコンピュータインタラクション、ラーニングアナリティクス、教育データマイニング等の研究に従事している。 |