トップコンファレンス7-1 ヒューマンコンピュータインタラクション
2024/9/6 13:10-15:40
第4イベント会場

座長:志築 文太郎(筑波大学)

13:10-13:30 講演(1) 【タイトル邦題】 Telextiles: 布の触感の遠隔伝送
北岸 毅一(東京大学 大学院学際情報学府 博士学生)
【原発表の書誌情報】 Takekazu Kitagishi, Yuichi Hiroi, Yuna Watanabe, Yuta Itoh, and Jun Rekimoto. 2023. Telextiles: End-to-end Remote Transmission of Fabric Tactile Sensation. In Proceedings of the 36th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (UIST '23). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 67, 1–10. https://doi.org/10.1145/3586183.3606764
【概要】 布の触感は服の快適性を決定づける重要な要素である。しかし、オンラインショッピングではその触感評価が困難である。そこで、遠隔で布の触感を伝達するTelextilesを提案した。自己教師あり学習で布の類似性を反映した潜在空間を作成し、未知の布でも近似した触感を提示できる。これにより、オンラインでの購買体験の向上を目指している。
【略歴】 2022年3月 東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。
2022年4月に東京大学大学院学際情報学府博士課程へ進学。
学部では、東京大学医学部で公衆衛生を学ぶ。修士課程では、Wi-Fi電波の送受信機間での減衰を解析することに基づく屋内の人数測定機構を探求した。博士課程では、衣服の着心地・触感を計測・数値化するための機械学習および情報入出力手法の研究に取り組んでいる。
13:30-13:50 講演(2) 【タイトル邦題】 FoodSkin: 食用金箔を用いた食品上への回路作成
加藤 邦拓(東京工科大学 メディア学部 助教)
【原発表の書誌情報】 Kunihiro Kato*, Kaori Ikematsu*, Hiromi Nakamura, Hinako Suzaki, and Yuki Igarashi. FoodSkin: Fabricating Edible Gold Leaf Circuits on Food Surfaces. In Proceedings of the 2024 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI'24), Article No.358, pp. 1-17, (2024). (*joint first authors)
【概要】 本研究では、食品表面に金箔回路を作成し、食品にインタラクティブな要素を追加する技術である FoodSkinを提案した。提案手法により、乾燥食品と回路を統合することで、電気味覚の提示やユーザの食事行動の推定といった機能を提供できる。本研究では、様々な性質の食品表面へ金箔回路の接着性、接着後の回路の導電性、および金箔回路の接着が元の食品の味・食感におよぼす影響について評価を行った。また、ワークショップを実施し、提案したファブリケーション手法のアクセシビリティを評価した。
【略歴】 2018年 明治大学大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻 博士後期課程を修了。博士(エ学)。2018年 東京大学大学院 工学研究科特任研究員。2020年 東京工科大学メディア学部助手、2021年同大学助教、現在に至る。ヒューマンコンピュータインタラクションを専門とし、特にユーザインタフェース、デジタルファブリケーションの研究に従事。
13:50-14:10 講演(3) 【タイトル邦題】 ステアリングタスクにおける主観的な速度と精度のトレードオフの影響を考慮するためのEffective ParametersとThroughput
笠原 暢仁(明治大学 大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻宮下研究室 修士課程1年)
【原発表の書誌情報】 Nobuhito Kasahara, Yosuke Oba, Shota Yamanaka, Anil Ufuk Batmaz, Wolfgang Stuerzlinger, and Homei Miyashita. 2024. Better Definition and Calculation of Throughput and Effective Parameters for Steering to Account for Subjective Speed-accuracy Tradeoffs. In Proceedings of the CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI '24). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 722, 1–18.
【概要】 ユーザの主観的な速度や精度に関するバイアスは,パフォーマンス評価に大きく影響する.本研究では,ステアリングタスクにおけるユーザのバイアスの影響をEffective Parametersによってモデル化し,バイアスの影響を平滑化した評価指標としてのThroughputの有用性を検証した.
【略歴】 2024年明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科卒業.同年明治大学大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻入学.
現在,同学の宮下芳明研究室にて,人間の運動制御モデルとHCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)に関する研究を行っている.
14:10-14:30 講演(4) 【タイトル邦題】 BirdViewAR: 拡張三人称視点による 周囲状況理解支援ドローン遠隔操縦インタフェース
井上 理哲人(東北大学 大学院情報科学研究科システム情報科学専攻インタラクティブコンテンツ研究室 博士後期課程3年)
【原発表の書誌情報】 Maakito Inoue, Kazuki Takashima, Kazuyuki Fujita, and Yoshifumi Kitamura. 2023. BirdViewAR: Surroundings-aware Remote Drone Piloting Using an Augmented Third-person Perspective. In Proceedings of the 2023 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI '23). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 31, 1–19. https://doi.org/10.1145/3544548.3580681
【概要】 我々は副ドローンとAR空間情報提示を用いてドローンパイロットの周囲空間理解を支援するシステム,BirdViewAR を提案した.実機ドローンを用いた被験者実験を行い,提案手法が既存手法に比べて有意に操縦者の空間理解を向上させることを示した.
【略歴】 2022年東北大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了.同年より東北大学大学院情報科学研究科博士後期課程在学,日本学術振興会特別研究員.主にドローン操縦インタフェース,ドローンセンシングに関する研究に従事.
14:30-14:50 講演(5) 【タイトル邦題】 PathFinder:視覚障害者のための事前環境地図を必要としない案内 ロボットの開発
栗林 雅希(早稲田大学)
【原発表の書誌情報】 Masaki Kuribayashi, Tatsuya Ishihara, Daisuke Sato, Jayakorn Vongkulbhisal, Karnik Ram, Seita Kayukawa, Hironobu Takagi, Shigeo Morishima, and Chieko Asakawa. 2023. PathFinder: Designing a Map-less Navigation System for Blind People in Unfamiliar Buildings. In Proceedings of the 2023 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI 2023).
【概要】 案内ロボットは視覚障害者の移動支援技術として有効であるが,事前に地図を準備する手間がかかる.本研究では案内時に周囲の看板を読み上げつつ交差点を検出することで事前準備した地図を用いることなくユーザを案内するシステムを提案する.7 名の全盲のユーザを対象に実験した結果,提案手法を使うことで不慣れな建物で目的地まで行くことが出来ることが示された.
【略歴】 早稲田大学先進理工学研究科博士後期課程在籍.日本学術振興会特別研究員(DC1).過去にCarnegie Mellon UniversityおよびBoston Universityにて客員研究員を経験.専門はヒューマンコンピュータインタラクション(HCI).
14:50-15:10 講演(6) 【タイトル邦題】 入出力に遅延のある環境下での経路通過タスクの所要時間推定モデル
山中 祥太(LINEヤフー株式会社 データグループ データサイエンス統括本部 LINEヤフー研究所 R&D2部 Human-Computer Interactionチーム 上席研究員)
【原発表の書誌情報】 Shota Yamanaka, Wolfgang Stuerzlinger. The Effect of Latency on Movement Time in Path-steering. In Proceedings of CHI 2024, Article No. 622, pp. 1–19.
【概要】 細長い経路の通過時間予測モデルであるステアリングの法則の修正版を提案する.マウス入力から画面出力までの遅延(50~250ミリ秒)に関わらず,直線経路や円形経路などで所要時間を高精度に推定できることを示した.
【略歴】 2016年に明治大学大学院にて博士号を取得(工学).2015年より日本学術振興会特別研究員DC2,2016年より日本学術振興会特別研究員PDおよび明治大学総合数理学部客員研究員を勤めたのち,2017年にヤフー株式会社(現: LINEヤフー株式会社)に入社.2022年よりHuman-Computer Interactionチームリーダー,現在に至る.ユーザインタフェース研究,特に運動性能のモデル化に興味を持つ.情報処理学会,ACM各会員.
15:10-15:30 講演(7) 【タイトル邦題】 CatAlyst: 大規模生成モデルを用いた知的タスクの先延ばし防止イ ンタラクション
矢倉 大夢(Max-Planck Institute for Human Development Center for Humans and Machines )
【原発表の書誌情報】 Arakawa, T., Yakura, H., Goto, M.: CatAlyst: Domain-Extensible Intervention for Preventing Task Procrastination Using Large Generative Models. Proc. 2023 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (ACM CHI), No.157, pp.1-19 (2023).
【概要】 本研究は,大規模生成モデルを用いて知的タスクの「Procrastination(先延ばし)」を減らすインタラクションシステムを提案する.これは先延ばししようとしているタスクへのエンゲージメントを高めるべく,中断した作業内容の続きを生成して提示することで実現される.
【略歴】 2024年筑波大学大学院システム情報工学研究群にて博士後期課程を修了。博士(工学)。同年よりマックスプランク人間開発研究所博士研究員を務める。2019年度及び2023年度情報処理学会山下記念研究賞受賞等。機械学習技術を用いた生産性・創造性支援のためのインタラクション技術やそれらが生み出す行動変容の研究に従事。