電気学会全国大会講演要旨
1-031
低周波磁場ベクトルスペクトルによる腐食鋼板の厚み測定
◎芳賀勇太・森田洪爾・合田剛士・伊藤嵩展・堺 健司・紀和利彦・塚田啓二(岡山大学)
近年,高度経済成長期に建設された建造物や橋梁等のインフラにおいて,経年劣化にともなう雨水の浸透により腐食が生じており,この腐食が板厚の減少につながり構造物の倒壊を引き起こす可能性がある.そのため,インフラの事故を防ぐための非破壊検査技術が求められている.我々は,従来の渦電流探傷法で用いられた検出コイルから,低周波から高周波まで周波数特性が均一な磁気抵抗センサに変更することにより,低周波磁場の印加により鋼板の裏側を計測可能な装置を開発した.また磁場ベクトルの解析により,表面の磁気特性の影響なく腐食鋼板の板厚を評価できるシステムを開発したので報告する.