電気学会全国大会講演要旨
1-069
低酸素濃度中のバリア放電によるエチレン除去
◎本舘拓真・西村絢希・高橋克幸・高木浩一・小出章二(岩手大学)・内野敏剛(九州大学)
青果物から放出されるエチレン (C2H4) は,青果物の成熟を促進させ,品質の低下を招く。本研究グループでは,非熱平衡プラズマを用いたエチレン除去試験を行ってきた。低濃度エチレンの分解には,電子衝突から生じる酸素由来の活性種が大きく寄与する。しかし,青果物は呼吸をするため,保存コンテナ中の酸素濃度は低下する。そこで,本研究では低酸素濃度中のエチレン除去について調べた。この結果,反応ガスの酸素濃度が低い場合において,エチレン除去量は大きく減少せず,エチレンの混入によるオゾンの減少量は大きくなることがわかった。これは,オゾン生成の反応速度が小さくなることにより,相対的にエチレン分解に消費される酸素ラジカルの割合が大きくなったためと考えられる。