電気学会全国大会講演要旨
1-089
電磁流体・陰極シース連成解析によるMPDスラスタの性能スケーリングに関する検討
◎佃 麻里子・川﨑 央・奥野喜裕(東京工業大学)
宇宙用電気推進機の1つであるMPDスラスタは所定の推進効率を得るためにMW級の電力が必要とされており,数100kW級の小型スラスタでの高推進効率化が求められている。本研究では,自己誘起磁界型MPDスラスタにおいて,電磁流体・陰極シース連成解析により,性能スケーリングの検討を行った。その結果,陰極シースを考慮する場合の推進効率は投入電力の低下に伴って低下する一方で,考慮しない場合はほぼ一定となった。これは,投入電力の低下とともに,バルク電圧は低下するが,陰極シース電圧はわずかに増加するため,相対的に陰極シース電圧の影響が顕著になることが要因である。小型スラスタの推進効率向上には陰極シース電圧の低減策の検討が必要となる。