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H2を用いた高周波誘導結合型プラズマ推進機におけるエネルギーバランスの評価
◎岩﨑雄磨・門脇俊樹・藤野貴康(筑波大学)
宇宙用電気推進機の一つである,高周波誘導結合型プラズマ推進機に関して二次元電磁流体解析を行い,推進性能を調べた。本研究では流量を0.1 g/s,ノズル内の吸収電力を0-5 kWと設定した。推進剤として水素を用いた場合に,振動モードの影響から,推進性能が吸収電力に対して不規則な変化をすることが分かった。吸収電力の小さい1.5 kWまでの領域では,大部分が振動エネルギーの上昇に用いられるために比推力の向上は見られなかった。一方で振動エネルギーと並進エネルギーの緩和が活発に生じる1.5 kW以上の領域では比推力は大幅に増加することが分かった。2.6 kW以上の領域では壁面への熱損失の影響が現れ,推進効率は低下し,比推力の上昇率は小さくなる。