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高電圧パルス電界による酵素活性化条件の検討
◎齋藤周太・安倍 翼・齋藤高輝・南谷靖史(山形大学)・杉浦敏行(天野エンザイム)
高電圧パルス電界のバイオ分野への応用が期待され研究が進められている。例えば酵素にパルス電界を印加することで活性化を図る試みがなされている。酵素とは人が生きる上で欠かせない物質であり、物質の化学反応を促進するタンパク質である。
本研究では、乳製品を吸収するために必要な酵素β-ガラクトシダーゼ(ラクターゼ)にパルス電界を印加した時の活性値を調査した。いずれの条件でも100~200shots程度で一度酵素が活性化する傾向を示した。特に電界強度10kV/cmで200shotsを加えたとき酵素が活性化した。しかしいずれの条件でも印加回数を増やすと共に酵素は緩やかに失活した。これより、電界強度が高すぎる、または印加パルス数が多すぎると酵素が失活してしまうので、適正な条件を選ぶと活性値を上げることができることが分かった。