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高電界パルスによる大腸菌殺菌に及ぼす水溶液中のアミノ酸濃度の影響
◎村上祐一・村本裕二・清水教之(名城大学)
今回は、水溶液中のアミノ酸濃度が高電界パルスによる大腸菌殺菌に及ぼす影響を検討した。実験試料は、約10 7個のEscherichia coli (JM103)を含む濃度1.0×10 -4 〜 1.0×10 -3 [mol/L]のL-Serine, L-Alanine, L-Glutamic acid, L-Histidine水溶液である。室温下で-4.40 [kV]のパルス電圧を各試料に60秒間隔で30回印加し、生菌率を求めた。
実験結果は以下の通りである。L-Serine, L-Alanine, L-Histidine試料の大腸菌の生菌率は、L-Serine, L-Alanine,あるいはL-Histidineの濃度が増加しても、ほとんど変化しなかった。L-Glutamic acid試料の大腸菌の生菌率は、L-Glutamic acidの濃度の増加に伴い減少した。水溶液中おいて、L-Serineは非極性物質、L-Alanineは無電荷極性物質, L-Glutamic acidは負電荷、 L-Histidineは正電荷としてそれぞれふるまう。これより、水溶液中の負電荷の濃度が、高電界パルスによる大腸菌殺菌の支配的要因であることが示唆された。