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水耕栽培における水中放電を用いた殺菌処理
◎齊藤義典・高野光平・高木浩一・高橋克幸・奥村賢直・颯田尚哉(岩手大学)・藤尾拓也(岩手県農業研究センター)
近年,青果物の栽培において水耕栽培が注目されているが,病害が拡大しやすいため培養液の殺菌処理が必要となる。殺菌処理の1つに水中放電による処理があり,この方法による殺菌作用として,プラズマで発生するオゾンがある。本研究では,水耕栽培に用いる処理装置を構築し,溶存オゾン量を算出することで溶存菌への有効性について調べた。また,トマトの水耕栽培下の培養液に対して4ヶ月間処理を行い,生育への影響を評価した。結果,溶存オゾン濃度は植物病原菌の殺菌に十分な量に達しており,本システムは水耕栽培における殺菌処理方法として有効であることが確認できた。また,水耕栽培を行ったトマトに病害の発生,生育障害は認められなかった。