電気学会全国大会講演要旨
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油/プレスボード複合絶縁系における白色放電生成物の圧力による状態変化
◎赤星卓勇・Kyunghoon Jang・小迫雅裕・匹田政幸(九州工業大学)・海永壮一朗・吉田成是・梅本貴弘・吉村 学・釣本崇夫(三菱電機)
著者らは、電力用変圧器に用いられる油-プレスボード(PB)複合絶縁系における放電進展特性と絶縁バリアによる放電進展抑制効果を調査している。これまでに、PB表面を放電が進展した後でPB表面に白色の生成物が残留し、その生成物は放電後120分程度で完全に消滅すること、及び生成物の有無が部分放電開始電圧に影響を与えることを報告してきた。また、前報にて生成物は放電の熱エネルギーにより気化した油であると推定されることを報告した。本報では、生成物が気化した油であるかどうか検証するため、圧力を変化させた場合の生成物の状態について調査した。その結果、試験タンク内を減圧すると生成物の体積が増加し、生成物から気泡が発生することが分かった。本実験結果より、生成物の正体は放電によりPB中に発生したガスであることが明確になった。